みんなの健康トークライブ

かんぽ生命健康づくりシンポジウム2011
~すてきな未来への第一歩~ 開催報告

1.基調講演

「家族で勝ち取った金メダル!」 ~心・技・体、そして健康~

講師:荻原健司氏(ノルディック複合五輪金メダリスト/北野建設スキー部部長)

スキー競技を始めたきっかけや五輪金メダル獲得までのエピソードを中心に、スキー人生を通した家族との絆や新たな夢と目標について熱く語っていただきました。

基調講演の模様(浜松会場)

基調講演の模様(浜松会場)

基調講演の模様(東京会場)

基調講演の模様(東京会場)

大人が入れる子どものスイッチ、家族への感謝

私には、双子の兄弟(次晴氏)の他に姉が3 人います。私たちは、小さい頃から沢山スキーをしましたが、それは、両親の影響が大きかったと思います。
雪のある時期、週末は必ずと言っていいほど、朝早くから夕方まで家族全員でスキーをして過ごしました。
そういう中で、父が昔スキー選手だったこともあり、スキーの上手な父に憧れていました。
ダイナミックなターンや力強い滑りを見て、「いつかお父さんみたいに滑ってみたいなぁ」、「いつかお父さんを超えるスキーをしてみたい」、そんな想いが小学生の時、芽生えたものでした。
一番身近なヒーローとして、スキーの上手な父と母がいました。
両親はスキーが好きですし、我々がスキーをする環境を語る上で、スキーに対する家族の理解はかなり重要であったと思います。とにかく熱心でした。
しかし、中学生くらいになると私も生意気になり、両親の熱心さが逆に嫌になってきました。
父からはよく「今日はどんな練習をしたんだ?」とか、「もっと練習をしないと駄目だ!」と言われました。
そんな父に対し、私はある時、「お父さんうるさいよ!お父さんはジャンプをやったことがないじゃないか、飛んだことがないのに色々言わないでくれ!」と言ってしまったことがありました。
それから父は、週末、母と山登りに行くのをやめ、一人で作業着姿で出掛けるようになりました。
ある夜、母から、父がハンググライダー教室に通い始めたということを聞きました。年齢的にもスキージャンプは出来ないけれど、私や次晴と同じ気持ちを持ちたい、同じ空中を飛ぶ感覚を持ちたいという理由で始めたと。そうまでして子どもたちと同じ感覚を共有したいと真剣に思ってくれたことに、私は心を打たれました。親の真剣さを感じた時、思春期の反抗期も徐々になくなりました。
しかし当時は、「スキーで将来オリンピックに!」とか「世界に通用するジャンプ選手になる!」などとは、思っていませんでした。
私には別の夢がありました。テレビに出たかったのです。テレビの世界に憧れていましたが、同時に、自分では無理ではないかとあきらめの気持ちも持っていました。
ある日、勇気を出して、どうしたらテレビに出ることができるのかと父に質問すると、父は「簡単だ」と言います。スキーで、オリンピックに出て金メダルをとれば、毎日いやと言うほどテレビに出られる、と言うのです。
それで、俄然スキーの練習にやる気が出ました。スイッチが切り替わったという感じです。私も子どもがいますが、こういう経験から、子ども達との会話は非常に重要だと思います。子ども達のスイッチを入れられるか入れられないかは、大人にかかっていると思います。

スキー人生の転機

それからと言うもの、以前にも増して、たくさんスキーの練習をするようになりました。でも、それだけでは世界の舞台であるオリンピックで通用することは、非常に難しかった。
私は、国際大会に早くから出場したのですが、思うように成績が伸びず、スキー競技に対して「これ以上、無理だろう」、「強い選手にはならないだろう」と感じながら大学生活を過ごしていました。
しかし、大学4年生の時に転機がおとずれました。
学生生活も終わりますし、競技生活も引退しようと決意したのです。同時に、大学生活の最後の1年間は、徹底的にやってみようと。
そのような中で、私はスキージャンプの飛び方を変えました。
「V字ジャンプ」をやってみようと思ったのです。
「V字ジャンプ」は当時、使っている選手が外国でも何人かしかいなく、日本では誰も取り入れていない技術でした。
うまくいくかどうかなんて、全くわかりませんでした。しかし、日本で一番早く成功させてやろうと思いました。
そして、「V字ジャンプ」の成功をきっかけに、遠くへ飛べるスキージャンパーになっていったのです。これが結果的に自分自身を大きく成長させ、競技力を向上させ、オリンピックの代表に選ばれ、金メダルに結びつきました。私は、子どもの頃からの夢であった「テレビに出る」ことが出来ました。

新たな夢と目標

金メダルをとる前ととった後では競技に対する考え方がガラリと変わりました。私のスキーを見た多くの人が、「元気をくれてありがとう」と言ってくれるのを聞いて、「スポーツをやるというのは自分だけでなく、たくさんの人が元気になるんだ」、「スポーツでも誰かの役に立てるんだ」と思いました。
金メダルをとって、世界の舞台で一番になると、「次の目標は何ですか?」とよく聞かれるのですが、私はスキーを通じて一人でも多くの方に勇気や元気を与える活動をしていく、それをこれからの自分の中心に据えていこうと思っています。

2.みんなの体操

実演:ラジオ体操アシスタント 金子梨沙氏(浜松会場)、大江紗由氏(東京会場)

NHKテレビ・ラジオ体操のアシスタントとしてお馴染みの金子梨沙氏(浜松会場)、大江紗由氏(東京会場)をお招きし、第2部が始まる前に、会場の皆さんと一緒に「みんなの体操」を行 いました。

「みんなの体操」の模様(浜松会場)

「みんなの体操」の模様(浜松会場)

「みんなの体操」の模様(東京会場)

「みんなの体操」の模様(東京会場)

「みんなの体操」の模様(東京会場)

「みんなの体操」の模様(東京会場)

(参考)
「みんなの体操」は、座ったままでも出来る簡単な体操です。
「ユニバーサルデザイン」という考え方のもと、年齢・性別・障がいの有無を問わず、すべての方々が楽しく安心してできる体操として、平成11 年に考案されたもので、かんぽ生命では、NHK、全国ラジオ体操連盟と共同で、ラジオ体操と合わせて、その普及促進に取り組んでいます。
お馴染みの「ラジオ体操」は、昭和3 年、昭和天皇即位の記念に当時の逓信省簡易保険局が制定したもので、いつでも、どこでも、だれでも、道具無しで出来る体操です。
かんぽ生命のホームページでは、ラジオ体操第一、第二及びみんなの体操を動画で紹介しています。
ご一緒にラジオ体操・みんなの体操をしてみませんか?

ラジオ体操動画映像:ラジオ体操第一、第二、みんなの体操を動画で紹介します。

3.パネルディスカッション

「すてきな未来への第一歩」

パネリスト:
荻原健司氏(ノルディック複合五輪金メダリスト/北野建設スキー部部長)
陣内貴美子氏(キャスター/元バドミントン選手/ヨネックス所属)
松井薫氏(プロスポーツトレーナー/パーソナルフィットネストレーナー)

コーディネーター:
(浜松会場)寺田繭子氏(SBS ラジオパーソナリティ)
(東京会場)高嶋ひでたけ氏(ニッポン放送パーソナリティ)

「健康」をキーワードに、元気・健康の源や心と体の健康づくりについて、簡単に出来るストレッチなどの実演も交えながら楽しく紹介していただきました。

パネルディスカッションの模様(浜松会場)

パネルディスカッションの模様(浜松会場)

パネルディスカッションの模様(浜松会場)

パネルディスカッションの模様(浜松会場)

パネルディスカッションの模様(東京会場)

パネルディスカッションの模様(東京会場)

○「元気・健康の源は?」

コーディネーター
「普段の生活の中で、皆さんにとって健康や元気の源と感じることとは何でしょうか?」

松井氏
「食事をバランス良く食べること。バナナダイエットやりんごダイエットなど、1食ダイエットが一時流行しました。これらは、体重は落ちるのですが、それは栄養が足りないために落ちるわけで、健康面からみると良いことではありません。」

陣内氏
「ウォーキングです。健康のために空いている時間を使って1 時間くらいウォーキングをしています。
それから、夜寝るときに腹筋を50 回、寝転んで逆自転車こぎを20 回ぐらいやっています。また、柔軟体操もやっています。」

荻原氏
「クロスカントリースキーです。クロスカントリースキーは、雪上のマラソン、言い換えると歩くスキーです。ストックを強くついて進んでいくので、かなりカロリーを使うスポーツです。」

○「健康こそが充実したライフスタイルの基本」

コーディネーター
「心とからだの健康を維持するために、皆さんが工夫していることや気を付けていることについて教えて下さい。」

松井氏
「家族を持ってから、自分の好きな時間に走りに行ったり、トレーニングに行ったりすることが、ある意味、家族を犠牲にしているのではないかと考えるようになりました。そこで、料理を作っている間や、洗濯をしている間に何か出来ないか?と考え、スクワットをしながら風呂掃除をするようになりました。これならば、自分の身体を鍛えるだけでなく、家族の手伝いにもなるので、そのようなことをライフスタイルの中で実践しています。」

陣内氏
「現役の時は、自分のプレーのことだけを考えていたので、熱があっても体温計を見なかったし、病院にもあまり行きませんでした。でも、結婚して二人になると、どちらかが病気をしただけで心配にもなるし、精神的に暗くもなります。夫は、風邪をひきそうになると、うがいをしたり早めに寝たりして、病気にならないよう予防に努めていますが、そういう姿勢は大切だと思いますね。また、予防を意識することで日々の生活態度も変わり、気持ちも健康になっていきます。」

荻原氏
「3度の食事を決まった時間にしっかり食べること。そして、よく寝るようにしています。」

コーディネーター
「心が健康でないとスポーツの結果につながらないですか?」

陣内氏
「バドミントンは、自分の心が出るスポーツだと思います。
自分の心が落ち着いていたり、気分がのっていたりすると、攻めの気持ちでプレーが出来る。逆に心のふらつきがあると、ミスが多くなる。心の健康は競技と深い関係があると思います。」

荻原氏
「スポーツ選手は、心理学者であり自分自身に催眠術をかけられないといけません。誰でも競技に臨む時は不安を持っています。それを乗り越えるために、自分を信じきる。思い込みが強くないと務まりません。」

松井氏
「トップアスリートの隣に座っていると、「静」を感じます。力みが強すぎて、心が「動」になると失敗します。「静」と「動」のバランスが重要で、自身の身体と心を見つめ直すことが出来る人は安定していますね。」

○「すてきな未来を迎えるためには?」

コーディネーター
「数年後の夢などに向かい、健康でいるためにどのような行動、どのような心構えをされているのかなどについて教えて下さい。」

松井氏
「人間が二足で立つために最低限必要な筋肉を抗重力筋と言います。それが衰えると、腰が曲がり歩くのがおっくうになったりします。先々を考え、無理のないトレーニングを続けることが大事だと思います。
例えばエレベーターを使わずに階段を上がってみるとか、身の回りで出来ることをしていくと体形も体力も変わってきます。そういう楽しみをもっと感じてもらいたいですね。」

陣内氏
「色々なスポーツ選手を見てきましたが、自分がやりたくても色々な事情で出来ない人もいます。
私は、やりたいことが出来て幸せなのだから、何事にも「出来ない」とは言わず、常に前向きな気持ちでいようと考えています。これからの生活もプラス思考でいようと思います。」

荻原氏
「両親を見てつくづく感心するのですが、父は76 歳、母は71 歳なのに、時間があれば近所の山を登っています。先日もチリのアコンカグアという山に挑戦に出掛けていました。両親は趣味を通じて健康を心掛けているのです。
これからの人生は、健康あってこそだとつくづく思います。日々の積み重ねによって健康を維持したいと思います。」

○最後に

コーディネーター
「最後に、未来に向けて健康でいるために、お一人ずつ会場の皆さんにアドバイスをお願いします。」

陣内氏
「運動は、どんどんしてください。運動は心拍数をあげることが全てではありません。ちょっとしたことでも運動になります。運動とは、「運が動く」と書きます。どんどん運動をして、運を良くしてください。」

松井氏
「体育は、「体を育てる」と書きます。「体」は、にんべんに本と書くので、「人の本質を育てる」という意味です。また、昔は、骨へんに豊で「體(たい)」と書きました。体の本質は骨。骨を豊かにするためには、習慣的に体操などをするととても良い。人の根本を育てます。」

荻原氏
「現役選手をやめても、野菜をたくさんとるなど食事に気をつけることで体形を保っています。
怪我や病気をした時に、やっぱり健康が大事だと初めて気がつきます。「備えあれば憂いなし」、これからも日頃の適度な運動と、正しい食生活を心掛けて生活していきたいと思います。」

コーディネーター
「今回のシンポジウムで、継続の大切さということを実感しました。運動をして体を育てて、しっかりとした日々を送っていきたいと思います。」

4.抽選会~閉会

最後に抽せん会を実施しました。パネリストの皆さんにもご協力頂き、大いに盛り上がりました。

抽せん会の模様(東京会場)

抽せん会の模様(東京会場)

抽せん会の模様(東京会場)

抽せん会の模様(東京会場)

かんぽ生命では、ラジオ体操の普及推進や「健康づくり」をテーマにしたシンポジウムの開催などを通じて、皆さまの健康づくりに積極的に貢献してまいりたいと考えております。
今後ともかんぽ生命をよろしくお願いします。