北九州支店リテールサービス統括部の担当課長を務める上野 加菜恵は、営業社員の営業活動を日々支援しています。個人営業・法人営業のキャリアを経て、より広い視野を求めて現在の部署に自ら志願しました。女性のリーダーとして、キャリアアップを通じた「自己スタイル」を追求してきた彼女が、大切にしてきたこととは。
まずは相談相手になるところから。お客さまとの出会いの大切さを学んだ個人営業時代
上野が新卒で入社したのは2003年のこと。たくさんのお客さまにお会いすることを目標に、日々営業に励みました。上野 「入社して1カ月の研修を受け、八幡郵便局貯金保険課に配属になりました。当時貯金保険課では、お客さまに既契約の保障内容を確認したり、お客さまのお困りごとを丁寧にお伺いして、その解決策として保険のご案内をしたりしていました。地元での採用だったことから、お店をやっている私の実家をご存知のお客さまも多く、お客さまにはとても親しく接していただいたことが印象深いです」入社当時の上野は弱冠19歳。職場の社員は男性社員がほとんどで、孤独を感じることもあったと言います。そんな上野を支えてくれたのは、周囲の先輩社員でした。
上野 「入社当時、周りに女性の先輩社員がいなかったことから、気楽に自身の悩みを相談しづらかったことを覚えています。私も若かったことから、周りから心配されないように、自分を強く見せようと、どこか心に壁を作っていたのだと思います。ですが、先輩社員は、私が困っていることがないかこまめに声をかけてくれ、私が質問すると親身に教えてくれる方ばかりで、何度も助けてもらっていました。そんな周囲からの助言もあって、とにかく一人でも多くのお客さまにお会いし、その出会いを大切にしてきました。
その中でも、営業活動で同行することが多かったベテラン社員の方には特にお世話になりました。その方は100人のお客さまがいたら、100通りのお客さま対応ができるほど、営業経験豊富な方でした。その方からは、お客さまとの会話のやりとりや所作などについて細かく教えてもらいました。特に、繰り返し教えられたのは、"お客さまとの出会いを大切にする"ということです。登山が好きな方だったので、こんなふうに教えてもらったことがありました。
『出会いについては、絶対大切にしていけ。山と山は出会うことはない。人と人が出会うんや。皿倉山（北九州市内の山）と富士山は決して出会うことはないが、あなたはこれから自ら動いて誰とでも出会うことができる。そこから多くを学びなさい』----とにかくまずお客さまに会ってたくさんお話を聞いてくること----まずはお客さまの相談相手になるところから始めればいい、と教えてもらいました」
上野 「そうやってたくさんのお客さまとお会いする中で、『ありがとう』とお言葉をかけていただいたときは、何ものにも代えがたい喜びを感じたものでした」
結婚と出産を経験。女性の後輩社員のロールモデルとしての自覚が芽生える
郵政民営化の前後で法人営業部に異動となった上野。お客さまは主に中小企業の経営者です。法人営業時代には、アポイントの取得や保険のご案内、保険加入後のアフターフォローに従事しました。異動して間もなく結婚し、2008年には産休育休を取得。翌年に職場復帰を果たしますが、当時は子育てしながら働くことに悩みを抱えていたと言います。
上野 「特に子どもがまだ幼いころ、子どもの急な発熱などで、担当していた案件を丸ごと先輩にお願いしたこともありました。職場の皆さんはとても理解があり、温かくフォローしてくれましたが、私の中では思うような働きができずに悩んだ時期がありました」そんな中、女性の後輩社員ができるにつれて、自身のキャリアが後輩社員の道しるべになっていることを自覚するようになっていったと言います。
上野 「法人営業部にも毎年のように女性社員が入ってくるようになりました。当時、法人営業部で女性の先輩社員は私ひとり。気づくと後輩社員から結婚や出産など、ライフイベントを伴う働き方について相談を受ける機会が増えていきました。私が新卒で入社したときには、身近にそういった相談ができる女性の先輩社員がおらず、孤独を感じていたことがありました。
なので、自分がお手本のような存在になって、後輩社員からの相談をしっかりと受け止められる存在になりたいという想いが芽生えるようになりました。そのためには、"子育てと仕事を両立できること"、"将来を見据えたキャリアアップも可能であること"を身をもって示すべきだと考えるようになりました。私の経験からも、かんぽ生命は実際に産休や育休を取りながら、育児と仕事の両立を実現しやすい職場環境にあると感じています。
一方でさまざまなライフイベントを経験する女性のキャリアはどうしても断続的になりがちです。女性の営業職として産休や育休復帰後も大きな負担なく、キャリアを連続的に再開できるような環境がさらに整えば、後輩社員が今後のキャリアを考える上で参考になるのではと思いました」
30代を迎えて自分のキャリアを振り返る。より広い視野を求めリテールサービス統括部へ
30代になったころ、自身のキャリアを見直す中で、より幅広い経験を積み、キャリアアップしていきたいと思うようになっていったと話します。上野 「キャリアアップを目指すにあたって、営業の経験しかないことは、自身の弱みの一つだと感じていたんです。より総合的で幅広い視野をもちたいと考える中で興味をもったのが、今のリテールサービス統括部でした。自分がかつて在籍していた郵便局の営業社員の方々を支援していることは知っていたので、今までの営業経験を活かせるところで挑戦してみたいと思い、当時の支店長に熱い想いを伝え、異動の希望を出しました」念願かなってリテールサービス統括部への異動を果たした上野。2022年10月現在、担当課長として幅広い業務に関わっています。
上野 「リテールサービス統括部では、直接お客さまと関わる営業社員の方の営業活動の支援を行っています。各種会議や研修資料の作成、各拠点の好取組情報紙の作成、その他にも、各種手続きやシステム操作に関する電話照会対応、そして年に2回実施される社内の制度改正の勉強会やフォローなど、業務は多岐にわたります」最初は職場に飛び交う言葉の意味さえ理解できず苦労したと振り返ります。
上野 「電話で質問を受けてそれに回答する照会対応を行うことが多かったのですが、回答をひとつ探し出すまでにかなりの時間がかかっていました。同時に、かつて営業をしていたとき、事務を担当する社員の方にどれほど仕事を任せっきりだったか、自分はどれだけ事務の仕事を知らずに働いていたのかを思い知ることにもなりました」異動時の上野の役職は課長代理。しかし、なりふり構わずわからないことは後輩社員であっても質問し、次第に順応していったと言います。
上野 「調べられることは自分で答えを見つけていたのですが、それでもわからないことはプライドをかなぐり捨てて、先輩・後輩を問わずなんでも聞きながら仕事を覚えていきました。
営業時代は、お客さまとのやり取りやお客さまへのご案内の書類・手続きなどを中心に覚えてきましたが、リテールサービス統括部では、それ以外にも会社の規程やルールを覚え、幅広く事務作業を行うスキルが求められます。営業以外の視野を広げ、知識・スキルを身につけようと、とにかく必死でした」
かんぽ生命にしかできない価値の提供を。地域に密着した生命保険会社を目指して
そんな上野にはいま、かんぽ生命のリテールサービス統括部の一員として成し遂げたいことがあります。上野 「個人営業、法人営業を経て、お客さまにどうすれば喜んでいただけるのか、ずっと考えながら仕事をしてきました。お客さまとの出会いを大切に、まずは親身にお話を聞くこと。法人営業時代にも、とにかく社長のお話を伺い、分からないことがあれば、すぐに調べてしっかりと話を聞いていただけるように知識をつける。お客さまに寄り添うことを大切にしてきました。また、女性社員として目指す自身の理想像についてはこう話します。
保険というのは、多くのお客さまにとっては、常日頃考えているものではありません。自分や家族など親しい人の身に万が一のことがあったときに、はじめて保険の必要性に気づく方も少なくないと思います。もし万が一のことがあったとき、生命保険に加入していてよかったと思っていただける人を一人でも増やすことが、私たちの存在意義ではないかと思っています。
お客さまの万が一のときに、お客さまをお守りすることが、生命保険会社で働く私たちの役割。どうすればもっとお客さまに喜んでいただけるようなご案内ができるのか。営業社員の皆さんと一緒に考えながら、これからもお客さまの人生に寄り添っていきたいです」
上野 「現在、リテールサービス統括部のおよそ半数が女性です。忙しい中でも、できるだけ後輩社員にはまんべんなく声をかけるようにしています。『最近、何か良いことがあった？』『さっき受けた電話、難しい内容だった？どんな照会内容だったの？』『昨日はよく寝られた？睡眠時間は不足してない？』など、あまり堅苦しくならないよう雑談も交えながら話すように意識しています。地域に根差し、お客さま一人ひとりに寄り添う、かんぽ生命ならではの価値を提供し、お客さまのもっともそばにいる生命保険会社を目指して、上野の挑戦は続きます。
『今日も上野さんからなんてことないけど笑える話が聞けてよかったな』と思ってもらえればいいなと。いつも皆が楽しく働ける環境を目指して、メンバーの悩みや困りごとにいちはやく気づける先輩になりたいですね」
※ 記載内容は2022年10月時点のものです
