すこやかコラム 第9回

すこやかコラム 第9回
お酒を上手に楽しもう 知っておきたい大人の飲み方

お酒を上手に楽しもう
知っておきたい大人の飲み方

お酒は適量であれば、コミュニケーションを円滑にしたり、ストレス解消になったりなどのメリットがあります。健康的にお酒を楽しむために、お酒の飲みすぎが体に与える影響、適正な飲酒量や、お酒を上手に楽しむポイントなどをご紹介します。

セクション01

アルコールが与える体への影響

アルコールが与える体への影響

飲み始めると、ついつい飲みすぎてしまう人も多いことでしょう。楽しいお酒も、度が過ぎれば病気の原因になりかねません。過剰なアルコール摂取によって引き起こされる健康への影響はたくさんあります。

アルコールがもたらす病気

これらは、あくまで飲みすぎによって起こりうる病気のリスクであり、お酒を飲む人すべてが健康を害するということではありません。むしろ少量の飲酒は健康によいという研究データもあります。

下のグラフは、「飲酒と死亡率の関係性」を調査したものです。適量を飲酒する人は、まったく飲まない人と比べて心筋梗塞などによる死亡率が低い傾向にあるという結果を表しています。ただし、適量を超えて飲む人やアルコール依存症の人は極端に死亡率が高くなります。なお、アルコール耐性には個人差があるため、お酒を飲む人の死亡率が必ずしも下がるというわけではないので、注意しましょう。

Jカーブ効果
セクション02

適正な飲酒量はどのくらい?

適正な飲酒量はどのくらい?

年齢を重ねると、アルコールの影響を受けやすくなります。その理由は、体内の水分量の減少や胃粘膜の老化などにより、アルコールの分解・吸収機能が低下するためです。若い人と同じ量のお酒を飲んでも血中アルコール濃度が高くなる傾向があるため、高血圧や脳卒中のリスクも高まります。また、年を取ると認知機能も低下し、自分の適量が把握できなくて飲みすぎてしまうケースも少なくありません。

一般的な「お酒の適量」とはどのくらいなのでしょうか?個人差はありますが、厚生労働省が推進する適切な飲酒量とは、一日平均で純アルコール摂取量20g程度とされています。例えば、ビールだと中ビン1本程度です。

純アルコール量20gの目安

体重から自分の適正な飲酒量を知ることができる計算式もあります。ここで言う適量とは、血中アルコールの濃度から判断します。血中アルコール濃度が0.1%未満のときは血流がよくなり、リラックスしたり陽気になったりする、いわゆる「ほろ酔い気分」の状態ですが、これ以上濃度が高くなるとふらつくなど「酩酊状態」になります。つまり、アルコールの適量は血中アルコール濃度0.1%未満が基準となります。

適正飲酒量(ml)=0.1(血中アルコール濃度0.1%)×833×(体重)÷お酒のアルコール度数

例えば、体重70kgの人のビール(アルコール度数5%)の適量の計算式は、(0.1×833×70)÷5です。求められる飲酒量は1,166mlなので、ビール中瓶(500ml)2本程度の量ということがわかります。
あくまで参考値となりますので、個人の体質やその日の体調と相談しながらお酒を楽しみましょう。

セクション 03

ほどよい飲酒で「大人の飲み方」を

ほどよい飲酒で「大人の飲み方」を

適正な飲酒量がおおよそわかったら、お酒を上手に楽しむポイントをご紹介します。

ほどよい飲酒で「大人の飲み方」を

これから年末年始を迎え、お酒を飲む機会が増えてきます。年を重ねる取ると肝機能も衰えてきますので、飲む量を適切にコントロールすることが大切です。一気飲みやはしご酒など無茶な飲み方は避け、節度を持った大人の飲み方でお酒を楽しみましょう。

豆知識
お酒を楽しむマナー

お酒を楽しむにはマナーも大切です。

  1. みんなが同じように飲めるわけではない
    日本人の約40%の人がアルコールの分解を行なうALDH2型(※)の働きが弱く、約4%の人は全く働かず、お酒を飲めない人と言われています。飲めない人のためにノンアルコールや清涼飲料を用意しておく気遣いも忘れずに。
  2. お酒の失敗は取り返しがつかないことも
    お酒を飲むことによって悪い方向に人格が変わるようであれば、周囲が確実に離れていきます。また、公共の場所で酔って暴言を吐いたり、他人に絡むなどの迷惑行為は法律で禁じられています。

仲間と談笑しながら飲むお酒は楽しく、つい羽目を外してしまうこともありますが、お酒の飲み方ひとつで嫌われるすることもあります。誰もが気持ちのよい翌日を迎えられるように、大人らしいお酒のたしなみ方をおさえましょう。

※ALDH2とは、お酒を飲んだ時に発生する有害物質アセトアルデヒドを分解する酵素のことで、日本人には酵素の働きが弱い人が多く、少量の飲酒で顔面紅潮・吐き気・動悸・眠気・頭痛などのフラッシング反応を起こします。

ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転
妊娠中や授乳期の飲酒はやめましょう。

2019年11月公開

出典:
お酒を飲みすぎると、どうなるの?(アサヒビール 未成年者飲酒防止 アサヒ夢学園)
中高年のアルコールとの付き合い方(オムロン ヘルスケア株式会社)
生活習慣病のリスクを高める飲酒量(減酒.jp)
・飲酒のガイドライン(厚生労働省)
【お酒の適量ってどれぐらい?】正しい飲み方を調べてみよう!(ベルーナグルメ)
健康的な飲み方(サッポロホールディングス株式会社)
適量ってどのくらい?(サントリーホールディングス株式会社)
2型アルデヒド脱水素酵素(厚生労働省)

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