すこやかコラム 第35回

すこやかコラム 第35回
安全・安心を再確認! 万が一に備える「防災ウォーキング」

安全・安心を再確認! 万が一に備える「防災ウォーキング」

災害大国ともいわれる日本。地震や大雨、火山の噴火など、年々大規模な災害に見舞われることが多くなってきました。自然災害はいつ起こるか予測できないため、身を守るためにも日頃から防災意識を高めることが重要です。
そうした防災対策として注目されているのが、ハザードマップを見ながら避難経路や避難場所を確認して回る「防災ウォーキング」。今回は、そんな防災ウォーキングの目的やハザードマップの入手方法などを紹介します。

※新型コロナウイルス感染防止のために必要なことや周囲の人にもご配慮いただいた上で、安全・安心にウォーキングに取り組んでください。
新型コロナウイルス感染対策 スポーツ・運動の留意点と、運動事例について(スポーツ庁)

セクション01

防災ウォーキングの目的と効果

防災ウォーキングには、大きく2つの目的があります。それは「緊急避難場所・避難所の確認」と「避難経路の確認」です。それぞれを詳しく見ていきましょう。

緊急避難場所・避難所の確認

災害時に避難する場所は「緊急避難場所」と「避難所」の2つです。

災害が起きた際に一時的に避難する場所のことで、河川敷や大きな公園などがこれにあたります。
災害による家屋の倒壊や焼失などで自宅での生活が困難になった際に、一定期間避難生活をする場所のことで、公民館や学校といった公共施設などです。
避難所等地図記号

避難所等地図記号(左から緊急避難場所、避難所、避難所兼緊急避難場所)

緊急避難場所と避難所にはそれぞれ地図記号やマークがあるため、ハザードマップを確認するとどこに何があるのかがわかります。防災ウォーキングでは、この緊急避難場所と避難所の実際の位置を目で見て確認しましょう。

避難経路の確認

ハザードマップを見て、津波や土砂崩れの可能性のある場所を確認し、災害時にどの経路を辿って緊急避難場所・避難所に行くのかを実際に歩いて確かめます。このとき、地図には載っていない危険を伴う道をよく把握しておきましょう。

※危険を伴う道の確認については、十分注意のうえ、実施してください。

避難経路の確認

自宅から緊急避難場所・避難所までの道を確認できたら、帰りは来た道とは違う経路で歩いてみましょう。万が一の際に複数の経路を知っておくと状況に応じた柔軟な対応ができます。

防災ウォーキングをする際には、実際の災害を想定して防災バッグなどを持って歩いてみましょう。晴れの日だけでなく夜間や雨の日など、さまざまなシチュエーションにも対応できるようにしておくと良いかもしれません。

詳細を書き込んで「マイ防災マップ」を作ろう!

ハザードマップの他に、実際に歩いて分かったことをまとめた「マイ防災マップ」を作ることもおすすめです。安全に避難できそうな経路や危険箇所、緊急避難場所・避難所などを色分けしたり、自宅周辺の予想される災害の程度などを記載したりして、住んでいる地域の特性や取るべき行動をメモしておきましょう。

※マイ防災マップについては各自治体で配布している場合もあるので、詳しくはお住まいの地域のホームページからご確認ください。

詳細を書き込んで「マイ防災マップ」を作ろう!
セクション02

ハザードマップの入手方法

ハザードマップとは、「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」のことです。国土地理院が提供するサービス「ハザードマップポータルサイト」(https://disaportal.gsi.go.jp/index.html)から確認することができます。

ハザードマップポータルサイトでは、「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」の2種類が紹介されています。

ハザードマップポータルサイト

出典:ハザードマップポータルサイト

重ねるハザードマップ
わがまちハザードマップ

ハザードマップには避難時の流れや注意事項、情報収集の手段などさまざまなことが記載されています。一度確認しておくと、いざという時に焦らず対処できるかもしれません。自治体によっては整備・更新準備中や作成されていない場合もあるので、閲覧しているものが最新版かどうか確認することも大切です。

※災害種別など、詳しくは「ハザードマップポータルサイト」および各自治体のホームページをご確認ください。

防災ウォーキングでは、一度にすべてのハザードマップを確認する必要はありません。「今日はこのハザードマップをもとに歩こう!」と決め、数回に分けて住んでいる地域のハザードマップを確認してみましょう。

セクション03

編集部員が「防災ウォーキング」を実践しました

編集部員が実際の災害等で職場から自宅まで歩いて帰るケースを想定し、帰宅ルートの確認も兼ねた防災ウォーキングを実践してみました。

防災ウォーキングを実践したのは…
もっと防災意識を高めたいと考えている 編集部O(30代) 編集部O(30代)
実践した時間帯     :夜の19時~、約2時間
実践した時間帯 夜の19時~、約2時間
● ウォーキングの際に意識したこと

災害による倒壊や落下といった危険を伴う可能性のある場所やルートを確認するため、建物や看板など、普段以上に周囲を観察しながら歩くことを意識していました。

● 実践してみて良かったこと

帰宅ルートエリア上のハザートマップや防災マップを見ながら、実際に歩いてみましたが緊急避難場所の建物や行き方を実際に目で見て確認できたことが良かったです。

  
感想
今回、緊急避難場所や安全なルートを確認しながら歩いていたため、普通に歩いて帰った場合に比べ、おそらく倍近くの時間がかかっており、大変疲れましたが、その分、万が一に備えた準備ができたという点で実施して良かったです。特に通常の帰宅ルートでは、写真のように川が多いため、水害を考慮した安全なルート開拓など、実際に発生した場合を想定しながら実施したことで、防災に対する意識もより高まった気がいたします。

普段のウォーキングに防災意識を持たせるだけで、街の魅力だけでなく機能面にも気が付きます。周りの人と距離を保ちながら、感染対策をしっかり行いつつ、万が一に備えて、今日から防災ウォーキングを始めてみましょう。

豆知識
1本あれば何度も役に立つ!備えておきたい日用品とは?

日常でよく使われる食品用ラップが災害時にも役立つことをご存知でしょうか。

例えば災害時、お皿の上にラップをかぶせて食事をすれば、汚れたラップを取り替えることができるため水の節約になります。お皿やコップなどを洗う時には手のひらくらいの大きさのラップを丸めて、少しの水と洗剤をつけることでよく泡立ち、スポンジの代わりにもなります。

活用できるのは食事の時だけではありません。ラップを端からねじっていけば紐になります。洗濯ロープの代わりに使用したり、衣類や紙類をまとめておいたり、と様々な場面でも役立ちます。この他にも油性ペンで書き込めばメモ代わりに、手に巻き付ければ使い捨て手袋にもなり、掃除の時などに便利です。

このように災害時でも身近にあるものが役立つことがあります。いざという時のために日常使うラップに加えて、ストックしておいてはいかがでしょうか。

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2022年2月公開

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