すこやかコラム 第53回

すこやかコラム 第53回

紅葉散策で心身をリフレッシュ!紅葉の不思議と秋の楽しみ方

美しい紅葉に包まれる秋がやってきました。黄色やオレンジ、赤色に染まる風景を楽しみながらの散策は、心と体をリフレッシュする絶好の機会です。
今回は、紅葉のしくみや紅葉散策の楽しみ方をご紹介します。

セクション01

紅葉ってなぜ起こるの?秋の散策の楽しみを広げる紅葉の不思議

まず、紅葉のしくみについて知っておきましょう。紅葉が赤や黄色に変わる理由は、気温や光の影響が関係しています。

黄色くなるのは、もともとあった色素によるもの 黄色くなるのは、もともとあった色素によるもの

もともと葉っぱには、緑色のクロロフィルと黄色のカロチノイドという2つの色素があり、通常クロロフィルが多く含まれています。秋になり、日照時間が短くなり、気温も下がると、植物は葉を落とす準備を始めます。この過程で、クロロフィルが分解され緑が薄まると、今まで目立たなかった黄色やオレンジの色の色素が目立つようになります。

赤くなるしくみは? 赤くなるしくみは?

葉っぱの色が赤くなるのは、アントシアニンと呼ばれる色素が関係しています。気温が下がって葉の中でクロロフィルが分解されると同時に、アントシアニンが合成され、葉に蓄積された赤や紫色の色素が葉に現れます。

ちょこっと秋の紅葉を深める雑学クイズ ちょこっと秋の紅葉を深める雑学クイズ

ここで紅葉に関するクイズで
知識を深めましょう。

Q1紅葉の色づきに必要な気温は何度以下でしょうか?

  1. 2℃
  2. 8℃
  3. 18℃

正解は、②の8℃です。紅葉は、気温が低くなることで葉っぱが色づく現象を指します。通常、1日の最低気温が8℃以下になると紅葉が始まり、気温が5~6℃を下回ると紅葉のスピードが早まるといわれています。

Q2日本で紅葉を楽しむようになったのはいつ頃からでしょうか?

  1. 明治
    時代
  2. 平安
    時代
  3. 江戸
    時代

正解は、②の平安時代です。奈良時代から平安時代にかけて、紅葉を楽しむ文化が始まったといわれています。当時は、紅葉を鑑賞しながら和歌を詠んだり、宴会を開いたりしていたそうです。

Q3日本で最も早く紅葉が見ごろを迎える地域はどこでしょう?

  1. 北海道
  2. 東京
  3. 大阪

正解は、①の北海道です。北海道の大雪山地域、特に旭岳、黒岳、赤岳などの山々は、9月上旬から紅葉が始まります。

セクション02

紅葉散策は体にいいことも楽しむこともいっぱい!

紅葉散策は、体にさまざまな良い効果がある上に、楽しみ方もたくさんあります。

ポジティブな気持ちに
なれる

紅葉の赤、黄、オレンジの美しい色彩は、元気を与えてくるでしょう。

心肺機能の維持・強化

新鮮な空気を吸い込みながら歩くことで、心肺機能のアップが見込まれます。

ストレス軽減

美しい景色を楽しみながら、新鮮な空気を吸うことで、心が穏やかになり、ストレスの軽減につながるでしょう。

紅葉散策を楽しむポイント さらに紅葉散策を楽しむために、次のようなことも取り入れてみましょう。 紅葉散策を楽しむポイント さらに紅葉散策を楽しむために、次のようなことも取り入れてみましょう。

POINT1違いを観察する

地面に落ちた葉っぱを拾って、集めるのも面白いでしょう。見た目は似ているようでも微妙な違いを発見できます。
たとえば、イロハモミジとオオモミジの葉は、どちらも5つから7つに裂けていますが、オオモミジは名前の通り、葉が大きく、イロハモミジとは異なり、葉の縁に整ったギザギザが細かく並んでいます

イロハモミジ 葉の縁にふぞろいなギザギザがある オオモミジ 葉の縁に整ったギザギザがある イロハモミジ 葉の縁にふぞろいなギザギザがある オオモミジ 葉の縁に整ったギザギザがある

POINT2触ってみる

木の葉の質感を肌で優しく触れてみましょう。
※ 木の葉に触れる際は、かぶれを起こす種類でないか、葉の裏に害虫がいないかなど十分ご注意ください。

POINT3写真を撮る

紅葉の風景を写真に撮れば、いつでも振り返ることができます。カメラを持参して、美しい瞬間を収めてみましょう。

POINT4工作

拾ってきた紅葉や自然の素材を使った工作に挑戦してみましょう。紅葉を題材にした絵を描いたり、リースを作ったりするのも楽しいですよ。

まず、茶色の画用紙から木の幹を切り抜き、それを真っ白な画用紙に貼りましょう。次に、木工用ボンドで落ち葉を貼り付けて完成です。保存する際は、新聞紙で挟んで重しをのせると、形を保ちやすくなります。

リース

最初に紙皿をドーナツ型に切りましょう。次に、皿の端に穴を開け、つるすためのヒモを通して結びつけます。最後に、木工用ボンドを落ち葉に塗り、それを紙皿に貼り付けたらリースの完成です。

セクション03

日本の紅葉する樹木にはどんなものがある?

日本にはさまざまな種類の紅葉する樹木が存在します。代表的な種類をご紹介します。

イチョウ

イチョウ科に属する、日本全国の街路樹として広く見られる樹木です。長命で、中には樹齢が1,000年以上のものもあります。 イチョウ科に属する、日本全国の街路樹として広く見られる樹木です。長命で、中には樹齢が1,000年以上のものもあります。

イロハモミジ

「紅葉の王様」とも呼ばれる、カエデ属に属する落葉高木(ある時期に葉が落ちる背の高い木)です。名前は、7つに割れた葉が「イロハニホヘト」と数えられることに由来します。本州中部以南、四国、九州に分布しています。 「紅葉の王様」とも呼ばれる、カエデ属に属する落葉高木(ある時期に葉が落ちる背の高い木)です。名前は、7つに割れた葉が「イロハニホヘト」と数えられることに由来します。本州中部以南、四国、九州に分布しています。

ハウチワカエデ

カエデ属に属し、北海道や本州北部の山地に自生しています。葉の形が特徴的で、天狗のうちわに似ています。 カエデ属に属し、北海道や本州北部の山地に自生しています。葉の形が特徴的で、天狗のうちわに似ています。

ブナ

ブナ属に属する大きな落葉高木。美しい黄金色の紅葉が特徴で、北部の雪の多い地域では「オオバブナ」とも呼ばれます。北海道、南西部、東北地方で平地から山地にかけて分布しています。 ブナ属に属する大きな落葉高木。美しい黄金色の紅葉が特徴で、北部の雪の多い地域では「オオバブナ」とも呼ばれます。北海道、南西部、東北地方で平地から山地にかけて分布しています。

トチノキ

トチノキは、トチノキ科に属する落葉高木で、日本国内に広く分布しています。また、木材としても重宝され、古くから家屋や家具の建材として使われてきました。 トチノキは、トチノキ科に属する落葉高木で、日本国内に広く分布しています。また、木材としても重宝され、古くから家屋や家具の建材として使われてきました。

セクション04

おすすめ!紅葉スポット3選

日本全国には紅葉の美しい散策スポットがたくさんあります。昼は紅葉の絶景を楽しみ、夜は温泉旅館でリラックスするのもおすすめです。 ※ 各所の見ごろ時期ですが、今年は長引く残暑の影響で全国的に平年並みか平年より遅くなる可能性があります。

青森県 奥入瀬渓流(おくらせけいりゅう) 美しい自然景観が広がる場所で、清流が川底を透き通る様子や美しい滝が魅力です。四季折々の風景が楽しめ、特に紅葉の季節には美しい色彩が一面に広がります。紅葉する木の種類:カエデ・ブナ・トチなど 見ごろ時期:10月中旬〜下旬 群馬県 徳明園(とくめいえん) 徳明園は、90年の歴史を持つ広大な庭園です。池泉回遊、枯山水、苔庭、石庭の4エリア からなり、それぞれに群馬の銘石とモミジが美しく配植されています。 紅葉する木の種類:モミジ、イチョウなど 見ごろ時期:11月中旬~12月上旬 愛知県 香嵐渓(こうらんけい) 香嵐渓(こうらんけい)は、愛知県に位置する美しい渓谷(けいこく)です。特に紅葉の季節にその魅力が最も輝き、約4,000本のモミジが美しい景観を彩ります。紅葉する木の種類:イロハモミジ、オオモミジなど 見ごろ時期:11月中旬~11月下旬
豆知識
モミジとカエデの違いとは?

紅葉の代表的な植物「モミジ(紅葉)」と「カエデ(楓)」。実はこれらは植物学的には同じ「カエデ科カエデ属」に属する植物です。一般的には、モミジは葉の切れ込みが深く、カエデは葉の切れ込みが浅い見た目で分けています。

まとめ

木々の葉が美しく色づく季節。実際に葉を手に取って観察してみませんか?自然がもたらす神秘を楽しみながら、心と体をリフレッシュできる紅葉散策にみなさまもぜひ出かけてみてはいかがでしょうか!

2023年10月公開

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