すこやかコラム 第6回

すこやかコラム 第6回
夏バテ予防のポイントは? 健康的に夏を乗り切るための生活習慣

夏バテ予防のポイントは?
健康的に夏を乗り切るための生活習慣

暑い日が続く夏の健康管理で注意したいのが「夏バテ」。暑さのせいで、だるい、食欲がない、疲れが取れないといった症状に悩まされる人が増えてきます。きっかけは夏の暑さからでも、症状は人それぞれ。「夏だからしかたない」と思わずに、原因を知ったうえで正しい生活習慣を心がけましょう。

セクション01

「夏バテ」ってどういう状態のこと?

「夏バテ」ってどういう状態のこと?

日本の夏は高温多湿という特徴があり、この夏の暑さが原因で起きる体調不良を「夏バテ」と呼びます。エアコンが効いた室内と気温が高い屋外との出入りを繰り返すことで急激な温度変化が起こって、自律神経の交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなり、バランスが崩れます。

汗をかき体温をコントロールする役割があるこの自律神経が乱れてしまうと、胃腸機能が低下して食欲不振に陥りがちです。食欲が湧かずに体が栄養不足になると全身の倦怠感やだるいといった不調が起こります。夏バテは体温調節がうまくいかなくなるだけでなく発汗による脱水症状、熱帯夜の寝苦しさからくる睡眠不足といったさまざまな症状が現われます。

「夏バテ」ってどういう状態のこと?

夏バテを乗り切るためにはどんなことに気をつけたらよいのでしょうか?

セクション02

夏バテを予防するための生活習慣

夏バテを予防するための生活習慣

夏バテの症状を予防するには、「バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動」そして「脱水対策」が重要です。
また、夏バテしにくい体作りは、日頃の生活習慣を整えることから始まるので、普段の生活を見直して夏バテ知らずの夏を過ごしましょう!

バランスの良い食事

暑いからと食事を抜いたり冷たいものばかり食べていては胃腸に負担をかけてしまい、胃腸不良の原因になります。朝・昼・晩の3食をバランスよくきちんと食べて夏場に不足しがちな栄養素を意識的に摂ることが大切です。

夏バテ対策に効果的な食材

・夏野菜(ゴーヤチャンプルーや煮込みなど)
トマト、きゅうり、なす、ゴーヤなど水分が多く、体を冷やす作用があります。枝豆は睡眠不足やストレスで不足しがちなビタミンCを補給してくれます。

・梅干(夏野菜の梅肉和えやおにぎりなど)
疲労回復効果がある「クエン酸」を多く含み、食欲が増進します。

・唐辛子やしょうが(カレーやしょうがの甘酢漬けなど)
発汗作用を促し食欲を増進させます。

・うなぎ(うざくやう巻きなど)
疲労回復に欠かせないビタミンB群や免疫力を高めるビタミンAが豊富です。

・レバー(レバニラや唐揚げなど)
鉄、たんぱく質、ビタミンB群、ミネラルが豊富。豚レバーは鉄分の含有量が一番高いです。

こまめな水分補給

成人は1日2~2.5Lの水分を失います。夏場は汗をかくため、意識して水分の摂取を心がけましょう。水分補給のポイントは、「一度に大量の水分を摂らずにこまめに飲むこと」、「のどの渇きを感じる前に飲むこと」の2つです。
日常では30分間隔でコップ1杯(約200ml)程度が目安で、冷たいと感じる程度の水分が体に吸収されやすいと言われています。

スポーツ時には汗から失われた水分とミネラル、スタミナを維持するための糖質などを含んだスポーツドリンクがおすすめです。

十分な睡眠、適度な運動

バランスの良い食事と水分補給の次におさえておくポイントは疲れを残さないためには質のよい睡眠と体に負担をかけない適度な運動です。

快適で質の良い睡眠

暑さによる疲労の回復や自律神経を整えるためには十分な睡眠が欠かせません。質のよい睡眠をとることができれば、夏バテの解消だけではなく、予防にもつながります。

快適で質の良い睡眠

寝るときのエアコンのかけっぱなしは体を冷やし過ぎ、かえって体調を崩しやすくなります。快適な睡眠のためには除湿運転で湿度は50~60%を目安に、設定温度は28℃をキープし、1~2時間で切れるようタイマーを設定しましょう。エアコンの風が直接当たらないようにすることも重要です。睡眠前に、38~40度のぬるめの湯船にゆっくり浸かって自律神経の働きを整えるのも効果的です。

質のいい睡眠についてもっと詳しく知りたい方はこちら

適度な運動

自分の生活リズムや体調に合わせた適度な運動は、夏バテに負けない体力をつけることができます。

適度な運動

エネルギーを消費することで食欲も湧くし、ほどよい疲れは良質な睡眠につながります。自律神経を整え、副交感神経の働きを助けるには有酸素運動が効果的です。早朝や夕方以降など比較的気温の低い時間にウォーキングや室内でのラジオ体操、ストレッチなどもおすすめです。

ラジオ体操の健康効果についてもっと詳しく知りたい方はこちら
ウォーキングの健康効果についてもっと詳しく知りたい方はこちら

セクション 03

普段の生活から夏バテを予防をしよう

普段の生活から夏バテを予防をしよう

「夏バテかもしれない」と感じたら、バランスの良い食事を摂り、十分な睡眠時間を確保して疲労回復を心がけましょう。夏バテ知らずの体を手に入れて、今年の夏も元気に乗り切りましょう!

豆知識
「夏バテ」を英語で言うと?

実は英語では「夏バテ」に相当する表現はなく、具体的に説明することが多いです。とはいえ、「夏の疲れ」をいう意味のsummer fatigueを「夏バテ」にあたる言葉と考えることはできます。

例えば、以下のような例文があてられます。
I feel summer fatigue.
I’ve got summer fatigue.

しかしアメリカの二大健康機関、国立衛生研究所(NIH)と国立疾病予防研究所(CDC)のサイトではsummer fatigueという言葉は検索しても出てきません。「夏バテ」は日本では頻繁に話題になり、関心も高いですが、アメリカでは社会的にもあまり意識されていないようです。アメリカは日本ほど高温多湿な気候ではないことに加え、家や建物はセントラルヒーティング等で温度、湿度も快適にコントロールされているからかもしれません。

「夏バテ」を英語で言うと?

すこやかんぽ」のプレミアムメニューでは、食事・運動・睡眠の正しいサイクルをサポートします。生活改善メニューを継続することで代謝もアップし、健康年齢を改善することができます。夏バテ予防にもぜひ、ご活用ください。

2019年7月公開

出典:
夏 バテを予防・解消する、疲労回復にお手軽スポーツのススメ(サワイ健康推進課)
夏バテを防ぎ、元気に暑さを乗り切る!(全国健康保険協会)
・夏の悩みをビタミンで解決!(大鵬薬品工業株式会社)
夏バテを防ぐ水分補給(ザバス栄養講座)
水分補給の大切さ(タニタの考える健康)
・熱帯夜の困りごとと解決法(空気の困りごとラボ)
・夏バテの適切な対策とは?(STOP熱中症)

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