経営者のみなさまに、次の視野(スコープ)に役立つ情報をタイムリーにお届けしています。
金利・人件費・物価の上昇など、経営環境が変化するなか、会社のお金は「何のために備えるか」を整理することが大切です。日々の経営を守るお金、成長に活かすお金、将来や万が一に備えるお金に分けて、これからの資金設計を考えてみませんか。
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金利・人件費・物価の上昇など、経営環境が変化するなか、会社のお金は「何のために備えるか」を整理することが大切です。日々の経営を守るお金、成長に活かすお金、将来や万が一に備えるお金に分けて、これからの資金設計を考えてみませんか。
賃上げや人手不足への対応に加え、インフレや金利上昇などの影響を受け、経営環境が大きく変化しています。2026年版中小企業白書でも、こうした環境変化への対応や、持続的な賃上げを支える収益力・資金力の確保が、重要な経営課題として示されています。
まずは、現在の経営環境を取り巻く主な動向を確認しましょう。
借入返済の負担が増えると、運転資金や投資に回せる資金が圧迫されがちです。返済予定と手元資金を確認しましょう。
売上や価格転嫁が追い付かないまま賃上げが進むと、利益を圧迫しかねません。人材確保・定着のための資金も確認しましょう。
仕入れや光熱費、設備投資費が上がると、手元に残る資金が減りやすくなります。将来の更新・備えも含めて確認する必要があります。
こうした背景を踏まえ、会社に必要なお金が備えられているかどうか確認してみませんか?
会社のお金を「守る」「活かす」「備える」に分け、年次別に整理すると、必要なお金を準備しやすくなります。
目的別に分けたお金を、必要な時期別に整理すると・・・
会社のお金は「直近では必要なもの」に目が向きがちですが、年次ごとに洗い出すと、「備えるお金」も以外に多いことがわかります。退職金や企業年金、万一の際の保障は、必要になってから十分な資金を確保するのが難しいため、時期や金額を早めに確認しておくことが大切です。特に退職金制度や企業年金制度は、社員の将来の資金準備や定着にも関わる項目です。
「備えるお金」は、経営者の勇退、社員の老後資金、経営者の万一や事業継続など、目的によって必要な準備が異なります。退職金準備、企業年金、事業保障を個別に考えるのではなく、必要な時期や金額を見える化し、会社の将来の資金として考えられると安心です。
退職金制度や企業年金制度は、社員の退職後の生活や将来の資金準備に関わる制度です。給与・賞与で今の生活を支えるだけでなく、将来の安心を支える制度として位置づけることで、人材の定着や福利厚生、会社の計画的な資金準備にもつながります。
すでに制度を導入している場合も、退職金水準や対象者、弔慰金規程、事業保障額などが、現在の人員構成や事業規模に合っているかを定期的に確認することが大切です。
(例)従業員10人、月々の支出1,000万円の会社のケース
守るお金:運転資金3か月分で3,000万円
活かすお金:設備投資・採用・効率化で800万円
備えるお金:退職金・企業年金で2,500万円
備えるお金:事業継続資金で借入返済+運転資金6か月分で6,500万円
会社のお金を「守る」「活かす」「備える」に分けて整理すると、今必要な資金だけでなく、将来や万が一に備える資金も見えやすくなります。退職金・企業年金・保障額も含めて資金設計を行うことで、会社と社員の将来の安心につながります。
監修:大橋弘明税理士事務所 大橋弘明
(注)記事中に記載の法令や制度等は掲載当時のもので、将来変更されることがあります。詳細につきましては、各専門家にご相談いただきますようお願いいたします。