健康のススメ

Vol.18 忘年会シーズンは要注意!?
「酒は百薬の長」に隠された深い意味とは

年の瀬も迫るこの時期、忘年会の予定が複数入っているという方も少なくないのではないでしょうか。
飲みの席が多くなる年末年始は、その開放感からどうしてもアルコール量が増えてしまいますよね。

「酒は百薬の長」と言われていますが、アルコール摂取量はどれくらいが適切なのでしょうか?
この問いに昨年8月、世界的に権威のある医学雑誌『ランセット』誌において、衝撃的な事実が発表されました。
アルコールは「たとえ少量でも健康に悪い」という論文が掲載されたのです。

まったくダメというのは大げさに感じますが、健康に悪いと言われると気になってしまうもの。
なぜアルコールそのものがNGなのでしょうか?

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「少量のお酒は健康によい」と
言われる理由

昔から、「少量のお酒は健康によい」という言葉をよく聞きます。
しかし、漠然とした情報でどれくらいのアルコールを「少量」としているのかわかりません。

実は、この疑問に答える研究結果(※1)があります。
死亡リスクは、男女ともに1日平均23g未満(日本酒1合未満)の飲酒量がもっとも低く、非飲酒者を下回っています。
※1 …「コホート研究」と呼ばれており、1万人以上に5年以上追跡する長期的な観察研究。

アルコール消費量と死亡リスクの関係

男性 男性

アルコール消費量と死亡リスクの関係

女性 女性

アルコール消費量と死亡リスクの関係

欧米においても、同じような研究が行われていて、死亡リスクが低いのは男女ともに1日平均19g未満。
たしかに少量の飲酒は、研究データからも「健康によい」という結果が出ています。

アルコールが生活習慣病に
与える影響

さらにもう1つ、興味深い研究結果(※2)があります。
虚血性心疾患や脳梗塞、2型糖尿病についても、非飲酒者より少量飲酒者のほうが発症リスクは低くなっています。

アルコール消費と生活習慣病のリスク
アルコール消費と生活習慣病のリスク

これらは、生活習慣が原因とされている症状。
意外ですが、生活習慣病を招きやすいと言われているアルコールは、少量であればむしろ健康を維持する作用があります。

そのほか、複数の研究で「少量のアルコールは、動脈硬化を原因とした病気の発症率を減少させる可能性がある」との報告もあり、「健康によい」と信じられてきたのです。

そもそも日本人はアルコールに弱い

日本人を含めたモンゴロイド系の人種は、そもそもアルコールに弱いと言われています。
飲酒時に生じる有害物質・アセトアルデヒドを分解する酵素「ALDH2」(アルデヒド脱水素酵素2)のはたらきがヨーロッパ系やアフリカ系に比べて弱いのです。

なかにはALDH2の活性が欠けているひとも存在します。
このタイプは、お酒を飲んでも悪酔いしてしまうので注意が必要です。
両親のどちらもお酒に弱いという方は、遺伝的に「アルコールを分解しにくい体質」を受け継いでいるため、無理なくお酒と付き合うようにしましょう。

そもそも日本人はアルコールに弱い

顔が赤くなるひとは要注意

お酒を飲んで顔が赤くなるのと、ALDH2の活性には深い関係があります。
アルコール摂取で顔が赤くなりやすいひとは、生まれつきアルコールの分解能力が低い体質です。

とくに「お酒は飲むほど強くなる」と言われて、徐々にALDH2の活性が高くなったひとは注意が必要。
アセトアルデヒドの毒性が体内に長く滞在する可能性が高まり、咽頭がんや食道がんなどを患うリスクも上昇する傾向にあります。

アルコール消費と食道がんのリスク
アルコール消費と食道がんのリスク

さらに危険なのが、喫煙しているケースです。
「アルコール摂取で顔が赤くなる体質のヘビースモーカー」は、飲酒量が増えることによって食道がんのリスクが高くなります(※3)
心当たりのあるひとは、たばこもお酒も控えるのが賢明でしょう。

少量でもリスクを高める病気

アルコール消費と乳がんなどのリスク
アルコール消費と乳がんなどのリスク

そのほか、少量のアルコールでもリスクを高める病気があります。
とくに40歳を超えると、飲酒量に比例して高血圧・脂質異常症・脳出血・乳がんなどのリスクが上昇します(※4)
遺伝的な要因も強いとされている乳がんですが、お酒を飲まないよりも飲むほうがリスクは高まるため注意しましょう。

年齢や家系的な体質を含めて、アルコールを控えるかどうかを判断する必要がありそうです。

トータルで判断してアルコール量を調整しよう

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有名な「酒は百薬の長」という言葉には、実は下の句があります。
「百薬の長とはいえど、よろずの病は酒よりこそ起これ」(『徒然草』第175段の一節)が、正式な一文です。
現代語に訳すと、「酒は百薬の長というが、酒が原因の病気はたくさんある」というところでしょうか。

お酒は、コミュニケーションを円滑にしたり、ストレスを解消してくれたりする反面、体質や量によっては害にもなる“諸刃の剣”です。
神経質になりすぎるのも問題ですが、トータルで判断してうまくアルコール量を調整するように意識しましょう。

※1・2 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット[情報提供]「死因別、飲酒別の相対リスク」より情報抜粋(40歳~79歳の男女11万人を9年~11年追跡)

※3 国立がん研究センターの多目的コホート研究より情報抜粋(Cancer Letters 2009年3月 275巻240-246ページ)

※4 平成29年度特定健診・保健指導に関する人材育成研修会 【技術編B】「アルコール健康障害の理解と対応~生活習慣病との関連を中心に~」(独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター 精神科医長 武藤 岳夫)より情報抜粋

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