みんなの健康トークライブ

かんぽ生命健康づくりシンポジウム2012
~一歩前へ、きっと輝く自分に出会える~ 開催報告

1.基調講演

「夢をあきらめない ~清水流!カラダとココロの健康づくり~」

講師:清水宏保氏(元スピードスケート選手/長野オリンピック金メダリスト)

スピードスケートを始めたきっかけや長野オリンピックでの金メダル獲得までのエピソードを中心に、逆境をバネに前向きになれるココロ(メンタル)の健康づくりについて語っていただきました。

基調講演の清水氏(東京会場)

基調講演の清水氏(東京会場)

基調講演の模様(東京会場)

基調講演の模様(東京会場)

リレハンメルオリンピックでの惨敗と「客観視」

私が経験した最初のオリンピックは、1994年のリレハンメル大会でした。私は500メートルと1,000メートルに出場したのですが、500メートルのレースは5位。「今の自分では金メダルは獲れない」ということがはっきりわかりました。そこで、4年後の長野オリンピックに向けて行動計画を練ろうと考えました。

私は、間近に1,000メートルのレースが控えているにもかかわらず、メダルを獲った選手の行動や練習を徹底的に観察し始めました。そして、彼らが何を考えてレースに臨み、どのように集中力を保っているのか、想像していたのです。

そんな状態ですから、1,000メートルのレースは16位と惨敗でした。しかし、私は、レース後も会場中を走り回って、いろいろな場所からレースの光景を目に焼き付けたり、写真を撮ったりして、スケート競技を「客観視」するための材料を集めました。

私は、リレハンメル大会でスケート競技の全体像を捉えることによって、大会期間中の時間の流れや自分が観客として競技を楽しむ感覚を身につけました。そして、レースをしながら常に分析していく能力を身に付けることができました。これが、その後の私の生き方、考え方の基礎となっている「客観視」というものです。

基調講演の清水氏(札幌会場)

基調講演の清水氏(札幌会場)

基調講演の模様(札幌会場)

基調講演の模様(札幌会場)

長野オリンピックのプレッシャーと向き合う

2度目のオリンピックが1998年の長野オリンピックでした。普通、オリンピック出場の内定は1か月から2か月前に出るのですが、私だけが2年半前に内定をもらいました。「金メダルを期待される」というプレッシャーは半端なものではありません。しばらくの間、日々襲ってくる恐怖にまったく対応できませんでした。

しかし、プレッシャーから逃げ続けていては、解決の糸口が見えません。私は、プレッシャーをシャワーのように浴びて、受け入れてしまおうと考えました。そして、「1日や2日眠れなくても人間死ぬわけじゃない」「食事がとれなくても餓死するわけじゃない」と物事をプラスに転換して捉えるようにしたのです。

そこから、「寝ないで練習したらどうなるか」「食事をしないで練習したらどんな結果が出るのか」などと練習で試してみて、その結果をデータ化していきました。データ化することで、自分の状態を客観的に捉えられるようにしました。

レースでも、「悪い結果を出すためにはどんなウォームアップをしたらよいか」「レースをする上でどんな精神状態が悪いのか」「力を抜いてレースをしたらどんな結果が出るのか」など、試行錯誤を繰り返し、データ化していきました。

そんなふうにあがいている中から、プレッシャーへの向き合い方や結果を出すためにどんな準備をして、どんな状態でレースに臨むのがいいのかだんだんとつかむことができ、長野オリンピックでは金メダルを獲得することができました。

基調講演の清水氏(東京会場)

基調講演の清水氏(東京会場)

力を発揮するにはプレッシャーが必要

人はキャパシティーを超える体験をすることで、強くなります。あえてプレッシャーと向き合うことによって、そのプレッシャーにどんな意味があり、自分はそこから何を学ぶことができるのかを考えることが重要です。人は困難に立ち向かうことで、自分を成長させることができると考えています。

2.みんなの体操

実演:NHKテレビ・ラジオ体操アシスタント 金子梨沙氏(東京会場)、有賀暁子氏(札幌会場)

NHKテレビ・ラジオ体操のアシスタントとしてお馴染みの金子梨沙氏(東京会場)、有賀暁子氏(札幌会場)をお招きし、第2部が始まる前に、会場の皆さんと一緒に「みんなの体操」を行いました。

「みんなの体操」の模様(東京会場)

「みんなの体操」の模様(東京会場)

「みんなの体操」の模様(札幌会場)

「みんなの体操」の模様(札幌会場)

(参考)
「みんなの体操」は、座ったままでもできる簡単な体操です。
「ユニバーサルデザイン」という考え方のもと、年齢・性別・障がいの有無を問わず、すべての方々が楽しく安心してできる体操として、平成11年に考案されたもので、かんぽ生命では、NHK、NPO法人全国ラジオ体操連盟と共同で、ラジオ体操と合わせて、その普及促進に取り組んでいます。
お馴染みの「ラジオ体操」は、昭和3年、昭和天皇即位の記念に当時の逓信省簡易保険局が制定したもので、いつでも、どこでも、だれでも、道具なしでできる体操です。
かんぽ生命のホームページでは、ラジオ体操第一、第二及びみんなの体操を動画で紹介しています。 ご一緒にラジオ体操・みんなの体操をしてみませんか?

ラジオ体操動画映像:ラジオ体操第一、第二、みんなの体操を動画で紹介します。

3.パネルディスカッション

<東京会場>

パネリスト:
清水宏保氏(元スピードスケート選手/長野オリンピック金メダリスト)
谷川真理氏(マラソンランナー/タレント・キャスター)
奥村幸治氏(NPO法人ベースボールスピリッツ理事長/パーソナルトレーナー)

コーディネーター:
菊池浬氏(Tokyo FM ラジオパーソナリティ)

生活の中で実践している健康づくりや継続のコツについて、楽しく紹介していただきました。

パネルディスカッションの模様(東京会場)

パネルディスカッションの模様(東京会場)

「普段の生活の中で実践している健康づくり」

コーディネーター
「パネリストのみなさんが、普段の生活の中で実践している健康づくりについて教えてください。」

谷川氏
「1日の摂取と消費のバランスに気を付けています。たくさん走った日は良質のタンパク質を取るようにするとか、トレーニング量に合わせて食事を調整しています。」

清水氏
「1日1回ないし1週間に1回食事の摂取量を減らしてバランスをとっています。あとは、食べる順番を野菜からにして満腹感を出すようにしています。」

奥村氏
「私は仕事が終わったあとにお酒を飲みに行く機会が多いのですが、そこをコントロールするように心がけています。」

コーディネーター
「トレーニングの面ではいかがでしょうか?」

パネルディスカッションの谷川氏(東京会場)

パネルディスカッションの谷川氏(東京会場)

谷川氏
「私は一人でも多くの方にランニングの楽しさを伝えたいと思っています。初めは人と話ができるぐらいのゆったりしたペースで走ることをお勧めします。そして、少しずつ距離を伸ばしていただけるといいと思います。」

「習慣化することの大切さと継続していくためのコツ」

コーディネーター
「私もランニングをするのですが、継続することって難しいですよね。何か習慣化するコツはありますか?」

奥村氏
「大切なのは目標設定だと思います。今のランニングの話でいうと100メートルとか200メートルとか、がんばったらできるところに目標を設定して、ずっと続けていくことが習慣づけるための一番の方法だと思います。」

谷川氏
「オリンピックを目指していた頃は、トレーニングの30キロ走を2時間以内で走ることができました。ですから、1日24時間あるうちのたった2時間だけをがんばればいいのだと自分に言い聞かせながら、メリハリのあるトレーニングをしていました。」

清水氏
「ある意味、勝ち癖もサボり癖も日々の習慣から来るものです。やはり、いい習慣を身につけていくことが大切です。」

コーディネーター
「奥村さんは、イチロー選手とのかかわりの中で何か継続するコツを感じたことはありますか?」

パネルディスカッションの奥村氏(東京会場)

パネルディスカッションの奥村氏(東京会場)

奥村氏
「プロ野球選手の多くは調子が悪くなるといつもと違うことをしようとするのですが、イチロー選手は自分のやることを絶対に変えません。どのような準備を積み上げていけば自分の力になるのか、イメージが出来ているのだと思います。」

清水氏
「やはり結果だけを求めるのではなく、その試合に対してどんな課題を見つけるか、また同じ物事を取り組むにしてもどういう方向から捉えるかによって、日々の同じことの繰り返しが大きな積み重ねになっていくのだと感じました。」

「一歩前へ、健康であるからこそのチャレンジ」

コーディネーター
「さて、心も体も健康だからこそ、いろいろな可能性にチャレンジできるのだと思いますが、ここで皆さんのチャレンジについて伺いたいと思います。」

谷川氏
「私はこれからもランニング人口の拡大に努めたいと思います。やはり、スポーツの楽しさをもっと伝えていきたいですね。自分の気持ち次第でいろいろなことに挑戦できるし、より充実した人生が送れるのではないかと思います。そのためには日々の健康管理が大切です。」

奥村氏
「私は現在、少年野球チーム『宝塚ボーイズ』の監督をしていますが、NPO法人を立ち上げて、中学生の子どもたちが小学生や幼稚園の子どもたちに野球を教える活動を行っています。子どもたちが思いっきり野球できる環境を作ってあげたい。それから、子どものしつけが難しいと言われているなかで、今後も、野球を通じて子どもの育成に貢献していきたいと思っています。」

パネルディスカッションの清水氏(東京会場)

パネルディスカッションの清水氏(東京会場)

清水氏
「私は現在、医療経営学を学んでいます。運動には病気をコントロールする力があるので、スポーツ選手が引退後に医療現場で社会に貢献できるような仕組みづくりをしていきたいと考えています。」

「最後に」

コーディネーター
「『輝く自分に出会うために』お一人ずつ、会場のみなさんにメッセージをお願いします。」

谷川氏
「いきなり大きな目標を立てるのではなく、小さな目標をコツコツ積み上げていって、人生をより豊かにしていただきたいと思います。」

奥村氏
「生活をしているといろいろとしんどいことがたくさんあると思います。そういう時に前を向いている人と一緒にいると、自分を前に向けることができ、成長することができると思います。」

パネルディスカッションの模様(東京会場)

パネルディスカッションの模様(東京会場)

清水氏
「人間だれしもバイオリズムがあります。1週間に1回、ないし1か月のなかで、やれるときはやはり最高時の集中力の質や行動の質を高めることを心がけてもらいたいと思います。」

コーディネーター
「いろいろなチャレンジができるのも、健康あってこそだと思います。どうもありがとうございました。」

<札幌会場>

パネリスト:
清水宏保氏(元スピードスケート選手/長野オリンピック金メダリスト)
柳下容子氏(元NFL、NBAチアリーダー/Tokyo Girls 代表)
奥村幸治氏(NPO法人ベースボールスピリッツ理事長/パーソナルトレーナー)

コーディネーター:
鈴木亜紀氏(STVアナウンサー)

生活の中で実践している健康づくりや継続のコツについて、楽しく紹介していただきました。

パネルディスカッションの模様(札幌会場)

パネルディスカッションの模様(札幌会場)

「普段の生活の中で実践している健康づくり」

コーディネーター
「パネリストのみなさんが、普段の生活の中で実践している健康づくりについて教えてください。」

柳下氏
「私は鏡を見て、毎日、自分に笑いかけます。その日の自分の笑顔をチェックして、1分間キープするのです。笑顔の練習をすると、前向きになれますよ。」

清水氏
「揚げ物を食べるときは衣を外します。そういう習慣をつけることが健康維持につながると思います。トレーニングでも、例えば、背中をもたれないで足を上げるときに、1秒止めてから足を上げるだけで運動の質がまったく変わります。意識を持つことが大切です。」

奥村氏
「食事を大切にしています。本当に良いものを食べないと体にとっても良くないと思いますので。」

「習慣化することの大切さと継続していくためのコツ」

コーディネーター
「健康づくりはやろうと思ってもなかなか続かないものだと思うのですが、習慣化していくことの重要性についてみなさんはどのようにお考えでしょうか?」

パネルディスカッションの奥村氏(札幌会場)

パネルディスカッションの模様(札幌会場)

奥村氏
「イチロー選手は、高校の時、毎日寝る前に10分だけ素振りをしたそうです。そして、それを1年365日3年間続けたと言っていました。続けることで莫大な時間になり、それが自分の力になるのだと思います。」

清水氏
「人間の体は、続けていくことによってそれだけ進化していきます。年齢はまったく関係ありません。そして、先ほど植物の話をしましたけれども、厳しい環境にあればあるほど植物というのは甘みを増したり、成長していくためにたくさん水分を集めようとしたりします。人間の体も同じで、少し厳しい環境を与えて継続していくと、1週間後、1か月後に大きな実になります。」

コーディネーター
「トレーニングというのは、時として単調に感じてしまうと思うのですが、続けるコツは何かありますか?」

パネルディスカッションの清水氏(札幌会場)

パネルディスカッションの清水氏(札幌会場)

清水氏
「体組成計で体内年齢や筋力を測ってみるとか、心拍数を測れる腕時計を身に付けて心臓の動きを見られるようにすると、運動のし過ぎを防止できるし、運動のやり方も変わってくると思います。」

柳下氏
「チアリーダーになりたての頃は、自分の目指すチアリーダーの姿を冷蔵庫に貼り出して、朝起きたらその日の目標を唱えました。」

「一歩前へ、健康であるからこそのチャレンジ」

コーディネーター
「さて、心も体も健康だからこそ、いろいろな可能性にチャレンジできるのだと思いますが、ここで皆さんのチャレンジについて伺いたいと思います。」

パネルディスカッションの柳下氏(札幌会場)

パネルディスカッションの柳下氏(札幌会場)

柳下氏
「Tokyo Girlsというチアリーダーのチームを持っています。『あなたを応援したい』、そして、『日本を応援したい』というパワフルな女の子たちの集団をつくり上げて、今こそ日本を元気にできるようなチームをつくることが私の目標です。」

奥村氏
「中学硬式野球チームの指導、それからNPO法人ベースボールスピリッツの活動を通じて、中学生の子どもたちが小学生の子たち、幼稚園の子たちに野球を教えるという野球教室をいろんな地域で開催させていただいています。今後も、野球を通じて子どもたちが成長できるような場をつくっていきたいと思っています。」

清水氏
「ぼくは、スポーツ選手のセカンドキャリアとして、スポーツ選手が現役時代に学んだ体操の仕方や体のケアを社会に還元できるような仕組みをつくっていきたいと考えています。そうすることで、スポーツに対する投資も増え、スポーツをもっと活性化できると思うのです。」

「最後に」

コーディネーター
「最後に、お一人ずつ会場の皆さんにメッセージやアドバイスをお願いします。」

柳下氏
「笑うことによって自分ももちろんハッピーになれますが、笑いを受けた人もハッピーになります。体の中から笑って、そして、一緒にいるご家族、大切な方と笑顔のコミュニケーションをとって、温かい空気をご自身でぜひ発信していってください。」

奥村氏
「自分より頑張っていると思う人からアドバイスをもらったり、そういう方たちと交流したりすると、自分も頑張ろうという気持ちになります。そういう自分の居場所を見つけて下さい。」

パネルディスカッションの模様(札幌会場)

パネルディスカッションの模様(札幌会場)

清水氏
「私は父から『お前のゴールはゴールの10メートル先だ。ゴールラインを過ぎても気を抜くな。』と教えられました。ゴールが常にその10メートル先にある、そして、10メートルを10年間続けたら何メートルになるのだろうと日々意識することが大切です。毎日でなくてもいい、1週間に1回、もう少し努力してみようと意識を持てば、人間は変わっていくと思います。」

コーディネーター
「パネリストの皆さんには心身ともに健康になれる貴重なお話をたくさん伺わせていただきました。会場の皆さんも今日のお話をヒントに、一歩前に進んで輝く自分を見つけてください。パネリストの皆さん、ありがとうございました。」

4.抽せん会~閉会

抽せん会の模様(札幌京会場)

抽せん会の模様(札幌会場)

最後に抽せん会を実施しました。パネリストの皆さんにもご協力頂き、大いに盛り上がりました。

かんぽ生命では、ラジオ体操の普及推進や「健康づくり」をテーマにしたシンポジウムの開催などを通じて、皆さまの健康づくりに積極的に貢献してまいりたいと考えております。

今後ともかんぽ生命をよろしくお願いします。