今や、私たちの生活にかかせないスマホ。最近では、スマホに依存していると30~50代でも、物忘れが激しくなり判断力や意欲も低下することがわかってきました。しかし、脳にプラスになる生活習慣を行うことで回復させることができます。毎日続けられる脳に良い習慣を始めてみましょう。
脳の情報処理には入力、整理、出力の3つの段階があります。しかし、本来ぼんやりすべき時にスマホを使いすぎることが原因で、脳がオーバーフローを起こして情報処理が追いつかず、血流が減って脳の機能が下がってしまいます。これが「スマホ脳過労」の状態です。
スマホによって脳が情報で満杯になると、物覚えや物忘れがひどくなるだけではなく、何に対してもやる気が起きずに興味もわかない、訳もなくイライラしてしまう、睡眠不足が続く、など心身にも影響が出てしまうことがあります。
スマホをしょっちゅう触っている人は要注意です。スマホ脳過労度をチェックしてみましょう。
心身ともに健康でいるために、スマホ脳過労を回復させる生活習慣を取り入れましょう。脳神経外科医の奥村歩先生がおすすめする“脳の働きを改善する方法”をいくつかご紹介します。

ぼんやりしているときこそ、脳内の情報は整理整頓され、記憶を取り出す力が高まります。1日に最低でも1回、2~3分はスマホを手放してぼんやりする時間を意識して作りましょう。
適度な運動は、脳に好影響を与えます。おすすめはウォーキングで、週3回、1日30分程度のペースがベストです。
動植物には、脳の疲れを癒す効果があります。ペットと遊ぶ、ガーデニングをして植物に触れるなど、時間を気にせず没頭しましょう。
「あの俳優、なんていう名前だったっけ」と疑問が出たとき、すぐにスマホの検索に頼らず、3秒だけ頭を使って“思い出す力”を維持するよう習慣づけましょう。
脳機能の低下を防ぐ効果が確認されているベリー類、鯖などの青魚、大豆製品、牛乳・乳製品などの食材をバランスよく摂りましょう。
30分以内の昼寝は、脳の疲れをリフレッシュさせる効果があり、認知症予防にも効果的です。
ゴルフ、テニス、卓球、草野球、社交ダンスなど相手と駆け引きをする、競技性の高いスポーツは脳機能を高める効果が期待できます。
ブルーベリーは、認知機能が向上するという効果が、海外の大学の研究で実証されています。ポリフェノールが多く含まれている皮ごと食べるのがおすすめ。ヨーグルトに入れておいしく食べましょう。
ブルーベリー入りヨーグルト
【ブルーベリージャムの作り方】
市販のブルーベリージャムをプレーンヨーグルトにのせれば、もっとお手軽です。分量はお好みでどうぞ。
物忘れ対策としておすすめなのが、日記をつけること。1日に起きた出来事や行動したこと、感じたことを書き記すだけで、脳の調子を客観的に捉えることができます。1日の自分を振り返ることで、調子の良し悪しに気づくことができ、自分のことをいろいろな角度からチェックするようになります。ここで大事なことはスマホやパソコンではなく、手書きのノートに書くことです。手で書くことで自律神経のコントロールにもつながり、スマホから離れる時間を持つこともできます。
また、自律神経のバランスが良くなることで女性にとってはうれしい効果も。女性ホルモンが分泌され、肌細胞が元気になり肌にハリやツヤが出て、より若々しくなれます。
日記のつけ方にもさまざまありますが、順天堂大学の小林弘幸教授が推奨するのが、寝る前につける“3行日記”です。
必ず日付、曜日を記載し、手でノートに書くようにしましょう。また、1~3の順番で書くようにしてください。
物忘れは、脳が老化しているサインだと言われています。以前より物忘れが多くなったと感じたら、脳機能が衰えている=脳の老化のサインと言えるでしょう。脳過労を解消する方法や日記を習慣づけることは、物忘れを改善するだけでなく心と体の健康にプラスになります。ぜひチャレンジしてみてください。
スマホ脳過労からの脱却!デジタルデトックスをしよう
デジタルデトックスとは、一定期間スマホやパソコンなどから距離を置いてストレスを軽減させること。
たとえば、
といった簡単なことから始められます。
デジタルデトックスで得られる効果は次のとおりです。
メールがきてスマホを見る、ということはスマホを使っているのではなく、スマホに使われている状態です。意識的にスマホから離れて、上手に使っていくようにすれば、悪い影響を少なくしていくことができます。
電車に乗っている時間、友人を待っている時間などにスマホを見ないだけでも新しい気付きがあるかもしれません。すぐに始めてみませんか?
【出典】
2025.06 更新
2020.03 作成