朝の通勤や急な予定など、時間に遅れないように、私たちは日常生活の中で、自然と早歩きをすることがあります。このように急ぐ必要があると、無意識のうちに早歩きになりますが、実は早歩きを意識して日常生活に取り入れることで、健康に良い影響をもたらすといわれております。今回は、早歩きのメリットや、より効果的に行うポイントをご紹介します。
ウォーキング・早歩き・ランニングでは、それぞれ速度や体への負荷が異なります。
早歩きと似たスポーツに「競歩」があります。競歩は、足が地面に着地したまま一定距離を速く歩く競技です。競歩で知っておきたいことは2つ。
競歩選手は常に姿勢に注意し、指定された距離で速さを競うのです。一般的に競歩の速度は時速16km程度ですが、早歩きには決められたルールは特になく、主に健康促進とフィットネス向上を目的とします。
早歩きをおすすめする理由は、ゆっくり行うランニングに近い運動ペースでありながら、体への負担が少ない点です。早歩きとランニングで比較すると、時速7km以上の同一の速度の場合、早歩きの方がエネルギー消費は高くなります。
体への負荷が少ない早歩きは、ランニングに比べて体への衝撃や負荷が少ない運動です。ランニングでは足が地面から離れるために関節や筋肉に大きな負担がかかりますが、早歩きでは常に片足が地面に触れているため、関節への負担が軽減されます。
ダイエット効果が高まる時速7kmの早歩きは、ウォーキングと比べて、おおよそご飯1杯分(150g/234kcal)多くカロリーを消費します。さらに、時速7km以上の早歩きでは、ゆっくり行うランニングの消費カロリーを上回り、継続して行うことでダイエット効果が高まることが期待されます。
筋肉量の維持・向上に早歩きは、身体の中で大きな筋肉が集まる「下半身」を主に使うため、筋肉量の低下予防におすすめです。また、筋力を高めたい時にも役立ちます。
血行促進血液を心臓に運ぶポンプのような役目を果たすふくらはぎを強化することで、全身の血行をサポートします。
病気予防に海外の研究によれば、歩行速度が緩やかな人々を基準にした場合、少し早歩きの人々は約2倍以上の割合で、「身体機能に支障がなく、心理的にも健康な状態を維持できる確率」が高いということがわかっています。この研究結果は、早歩きが病気予防につながる可能性も示しています。
早歩きをより効果的にするために、以下のようなポイントを押さえておきましょう。
早歩きを始める前には、必ずストレッチなどウォーミングアップを行いましょう。筋肉や関節をしっかりとほぐすことで、けがや筋肉の痛みを防げます。また、呼吸数や心拍数を徐々に主運動に近づけることで、心臓や肺への負担を軽減し、運動のパフォーマンスを向上させることも可能です。
ウォーミングアップを行った後、徐々に速度を上げていくことで、筋肉と心肺機能を効果的に活性化させることができます。
早歩きを行う際には、大股で歩くことがポイントです。足を大きく前に出し、腕を自然なリズムで振るようにして歩くことで、より速いペースを維持できます。大股で歩くことで、より運動効率が高い歩行が可能となり、より多くのカロリーを消費することが可能です。
早歩きを行う際には、体をしっかりと安定させることが重要です。姿勢を正しく保ち、足元をしっかりと意識して地面を踏みしめることで、安定した歩行を保てます。
早歩きはウォーキングよりも運動強度が高いため、呼吸が速くなり、心拍数が上昇します。心拍数が極端に高くなる場合はペースを緩め、十分な休息を取ることも大切です。
クリエイティブなアイデアは歩くことで生まれる?
2014年に発表された、スタンフォード大学の研究チームが行った実験によると、屋内外に関わらず、歩かないときよりも、歩いているときの方が、創造性が向上するという結果が出ています。気軽に歩いて、創造力を刺激してみてはいかがでしょうか。
早歩きとは、ウォーキングとランニングの中間ペースで行う運動です。ウォーキングよりも運動強度が高く、有酸素運動の効果が高まります。ウォーキングに慣れてきたら、早歩きを試してみてはいかがでしょうか。
2025.06 更新
2023.09 作成