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私立高校の学費はいくら? 公立高校との違いや無償化制度についても解説

私立高校の学費はいくら?

子どもの高校進学を控えた保護者にとって、学費は大きな関心事です。特に私立高校を選択肢に入れる場合、「どのくらい費用がかかるのか」「公立高校との違いは何か」などが気になることでしょう。

近年、私立高校の授業料が無償化される制度が拡充され、経済的な負担が軽減されるケースが増えています。しかし、制度の対象外となる費用も多く、実際にはまとまったお金が必要となるケースもあります。

この記事では、私立高校と公立高校の学費の違い、無償化制度の内容、3年間でかかる総額、さらに学費以外にかかる費用についても詳しく解説します。

目次
  1. 私立高校と公立高校の学費の違い
  2. 私立高校無償化制度(高等学校等就学支援金制度)とは
  3. 教育費に備えるために検討すべきこと
  4. まとめ

私立高校と公立高校の学費の違い

まずは、私立高校と公立高校の学費(学校教育費・学校外活動費)の違いをみてみましょう。

私立高校と公立高校の学費内訳

私立高校と公立高校では、学費に大きな違いがあります。

文部科学省の調査によると、保護者が1年間に子ども一人当たりに支出した学費(学校教育費、学校外活動費)の総額は、私立高校(全日制)で約103万円、公立高校(全日制)で約59万7,000円となっています。内訳は、次のとおりです。

■学校教育費

費目 私立(全日制) 公立(全日制)
学校教育費 入学金等 79,056円 18,062円
授業料 233,102円 45,194円
修学旅行費等 59,293円 36,452円
学校納付金等 112,256円 35,635円
図書・学用品・実習材料費等 74,565円 62,292円
教科外活動費 56,800円 49,371円
通学関係費 142,670円 97,738円
その他 8,748円 6,708円
小計 766,490円 351,452円
学校外活動費 補助学習費(※1) 172,000円 202,000円
その他の学校外活動費(※2) 92,000円 44,000円
小計 264,000円 246,000円
  合計 1,030,490円 597,452円

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  1. 各家庭で学習に使用する学習机や学習塾の費用など、学校以外の教育学習に支出した費用を指します
  2. 水泳やサッカー等のスポーツ、音楽や絵画等の芸術文化活動等の活動に要した費用を指します

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査の結果について」

入学金や授業料以外にも、修学旅行費などさまざまな費用がかかります。加えて、補助学習費やその他の学校外活動費も必要になります。

さらに、進学校や一部の私立高校では授業料がより高額になる場合があります。また、修学旅行が海外の場合は、支出がさらに増える可能性があります。

一方、公立高校の場合、学校教育費の合計額では私立高校の約半分となっており、私立高校に比べると支出を抑えられます。

なお、「高等学校等就学支援金制度」により、2025年度から公立高校の授業料については所得制限が撤廃され、全世帯で実質無償となっています。2026年度からは、私立高校の授業料においても、同様の支援が受けられる予定となっています。詳細は、このあとの「私立高校無償化制度とは」の章で解説します。

学校の教育方針による学費の違いについて

学校の教育方針によっても、必要な学費は大きく異なります。例えば、難関大学を目指す進学校では、塾や予備校に通う生徒も多い傾向があり、模試の受験料や短期の講習代などが必要になる場合もあります。

高校によっては、海外研修や語学留学のプログラムを設けている学校もあり、海外研修に参加する場合は数十万円程度、語学留学の場合は数十万円〜100万円以上かかるケースもあります。

また、プールや図書館、ICT設備などの施設が充実している学校では、施設利用料が必要となる場合もあります。学校を選ぶ際は、こうした付帯的な費用も含めて確認するようにしましょう。

私立高校無償化制度(高等学校等就学支援金制度)とは

近年、私立高校の授業料負担を軽減する制度が拡充されています。しかし、授業料以外にもさまざまな費用がかかるため、制度の内容を正しく理解し、高校生活でかかる費用全体を把握しておくことが重要です。

この章では、公立・私立高校の授業料を支援する「高等学校等就学支援金制度」の概要や今後の制度拡充の内容、授業料以外にかかる費用や自治体独自の支援制度について解説します。

高等学校等就学支援金制度の概要

この制度は、全国の高等学校等に在学する生徒を対象としています。

基本支給額は、年間11万8,800円(公立高校の授業料相当額)です。私立高校の場合は世帯年収に応じて、最大年間39万6,000円まで支給額が加算される仕組みとなっています。

2025年度からは、基本支給額に対する所得制限が撤廃されたため、年収910万円以上の世帯も実質無償化されることとなりました。

さらに、2026年度からは私立高校の支給額が全国平均授業料相当額である45万7,000円まで引き上げられ、かつ所得制限も撤廃される予定です。これにより、多くの私立高校で授業料が実質無償化となる見込みです。

ただし、授業料が45万7,000円を超える学校の場合、差額は自己負担となりますので注意が必要です。

高等学校等就学支援金制度の概要図
  1. 上限額は11万8,800円です。
  2. 通信制私立高校は29万7,000円、国公立の高等専門学校(1~3年)は23万4,600円が支給上限額です。
  3. 通信制私立高校は33万7,000円、国公立の高等専門学校(1~3年)は23万4,600円が支給上限額です。
ADVICE

専門家からのアドバイス

東京都では全国に先駆けて私立高校の授業料無償化を進めた結果、2024年度の公立中学校卒業予定者において、都立高校を第1志望とする生徒が前年より4.57%減少したことが報告されています。

出典:「令和7年度 都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査結果(概要)」

2026年度からは、国の施策として私立高校の就学支援金が所得制限なく支給され、支給上限額も45万7,000円まで引き上げられることが予定されています。これにより、全国的に私立高校を志望するハードルが低くなることが予想されます。

子どもの進路の選択肢をより広げるためにも、無償化の対象となる費用や条件を正確に把握しておくことが大切です。

自治体独自の支援制度

多くの都道府県では、国の制度に加えて独自の支援制度を設けています。例えば東京都では、「高等学校等就学支援金制度」とあわせて最大年間49万円(支払う授業料が49万円より少ない場合は、その金額)を支援する制度があります。これにより、実質的に授業料が無償となるケースが増えました。

ただし、支援内容は自治体ごとに異なるため、居住地の教育委員会や学校を通じて最新情報の確認が必要です。

また、申請には所得証明書などの書類が必要となる場合があるため、入学前から準備を進めておくと安心です。

無償化の対象外となる費用

無償化制度は授業料のみが対象であり、次の項目は対象外です。

  • 施設設備費
  • 修学旅行費
  • 部活動費
  • 制服代
  • 教材費

これらの費用は学校によって異なりますが、先述の文部科学省の調査によると、初年度は入学金や制服代などで約30~50万円、2年目以降は年間約20~30万円程度の費用を負担することとなります。

授業料の無償化により、金銭的負担は大きく軽減されますが、授業料以外の諸費用は家庭で負担する必要がある点にご注意ください。

ADVICE

専門家からのアドバイス

自治体独自の支援制度については、自治体ごとに条件が異なるため注意が必要です。

例えば、東京都の私立高等学校等授業料軽減助成金事業の場合、都内在住であれば、東京都以外の私立高校に通っていても利用可能です。(通信制課程の場合、助成金を受けられる学校が限られます。)

一方、神奈川県の学費補助金の場合、県内在住かつ県内の私立高校に通っている場合が対象となります。また、自治体ごとに受けられる助成金額や補助金額も異なります。
申請時に慌てないためにも、お住まいの自治体の制度について事前に確認しておきましょう。

教育費に備えるために検討すべきこと

無償化制度を活用しても、さまざまな費用がかかるため、計画的に資金準備をしておくことが重要です。

教育資金の準備方法

教育資金の準備には、銀行の定期預金、つみたてNISA、学資保険などの方法があります。

銀行の定期預金は計画的に積み立てることで、必要なタイミングで必要な額を確保できます。

元本保証がある一方で、投資商品等と比較して金利が低い傾向にあるため、大きく増やすことは難しいでしょう。

つみたてNISAは税制優遇を受けながら投資信託で運用できますが、運用成績によっては元本割れとなる場合もあります。ご自身のリスク許容度や資産状況に応じて、慎重に検討する必要があります。

学資保険は、教育資金の準備に特化した保険商品です。お子さまの将来のための資金準備はもちろん、親(契約者)に万一のことがあった場合、その後の保険料の支払いが免除される商品設計になっていることが多く、満期を迎えた際には予定どおりに満期保険金を受け取ることができます。

高校や大学の入学時など、お金が必要となるタイミングで祝金を受け取れるタイプの商品もあるのが、学資保険の特徴です。

子どもの選択肢を狭めないために

修学旅行、部活動、塾通いなど、まとまった費用が必要になる場面は多くあります。事前の備えにより、子どもの「やりたいこと」を応援することができます。

教育費は、早めに準備を始めることで、無理なく積み立てることができます。家庭の状況に応じて無理のない範囲で準備を進めることが、子どもの選択肢を広げる一助となります。

ADVICE

専門家からのアドバイス

学資保険といえば、大学入学時に満期保険金を受け取れるというイメージを持っている方も多いかもしれませんが、高校入学前に学資祝金が設定されている商品もあります。学資保険の具体的な商品設計については、各生命保険会社への資料請求や、お問い合わせにより確認するとよいでしょう。

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まとめ

私立高校の学費は、無償化制度を利用しても施設設備費や教材費、制服代、修学旅行費、部活動費などさまざまな費用がかかります。また、学校の教育方針や校風によっても金額は変わります。

制度を正しく理解し、必要な費用を把握したうえで、計画的に備えることが重要です。銀行の定期預金やつみたてNISA、学資保険など、ご家庭の状況やニーズに合わせて、複数の方法を比較・検討して準備しましょう。

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  • この資料中の社会保障制度に関わる記述は、2026年1月1日現在の社会保障関係法令等に基づき記載したものです。今後、社会保障制度が変わる場合もあります。

この記事の監修

監修者田尻さんの顔写真

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、マネーライター、証券外務員一種資格保有田尻宏子(たじり ひろこ)

証券会社、生命保険会社、銀行など複数の金融機関での勤務経験後、2016年から主に生命保険、損害保険、株式投資、ローン、相続関連等の金融分野専門のライターとして活動中。お金の初心者から上級者向けに幅広く執筆。

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