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出産育児一時金の給付額はいくら? 制度内容と申請方法を徹底解説

出産育児一時金の支給額

出産を控え「もうすぐ家族が増える!」と喜びを感じる方は多いでしょう。同時に、出産にかかる費用に不安を抱く方も少なくありません。

そんなときに利用できる心強い給付が「出産育児一時金」です。

ここでは、給付額や対象条件、受け取り方法、申請の流れまでをわかりやすく解説します。

目次
  1. そもそも出産育児一時金とは? 給付の基本を知ろう
  2. どうやって受け取る? 3つの方法と費用の取り扱い
  3. 申請から受け取りまでの完全ガイド
  4. よくあるご質問と回答
  5. まとめ

そもそも出産育児一時金とは? 給付の基本を知ろう

出産費用は年々増加傾向にあり、2024年度上半期の平均は約51万8,000円(※)です。

家計への負担は決して軽くありません。

こうした経済的負担を和らげるために、公的医療保険から支給されるのが「出産育児一時金」です。

支給額はいくら? 制度の概要

出産育児一時金は、出産したときに支給される給付金です。支給額は2025年現在、1児当たり原則50万円です。多胎児の場合は人数分の金額が給付され、双子なら100万円、三つ子なら150万円となります。これにより、出産費用の負担が大幅に軽減されます。

出産育児一時金の50万円には、「産科医療補償制度の掛金」の1万2,000円が含まれています。この掛金は、出産時に重度の脳性まひが起こったときに備えた補償制度の費用です。

医療機関がこの制度に加入していない場合は掛金部分が差し引かれ、受け取れる支給額は48万8,000円になります。

また、健康保険組合によっては、独自の付加給付を行っている場合があります。加入している保険の制度を確認し、出産費用の計画を立てておきましょう。

パートや専業主婦ももらえる? 支給対象者の条件

出産育児一時金の対象者は、公的医療保険(勤務先の健康保険もしくは国民健康保険)に加入している全ての被保険者と、その被扶養者です。

正社員、契約社員、パート、アルバイト、自営業者など雇用形態にかかわらず受給できます。配偶者の扶養に入っていれば、就業していない専業主婦も対象になります。

出産方法も問われません。妊娠4カ月(85日)(※)以上であれば、正常分娩のほか、帝王切開や吸引分娩、鉗子分娩(かんしぶんべん)といった医療介入のある出産、流産や死産の場合でも支給の対象になります。

  • 4週間を1カ月と数えます。85日目は13週目なので、4カ月目になります。
ADVICE

専門家からのアドバイス

共働きなどで夫婦が別々の健康保険に加入している場合、出産育児一時金は夫または妻のいずれかの健康保険から支給されます。

一般的には、出産する本人が加入している健康保険から受け取るケースが多いです。

どちらの保険から受け取るかは、加入状況や給付内容を比較して選択しましょう。

また、退職後に出産した場合は、在職していたときの健康保険での申請が可能です。ただし、次の要件を全て満たす必要があります。

  • 妊娠4カ月(85日)以上の出産であること
  • 退職日までに継続して1年以上被保険者期間があること(任意継続被保険者期間は除く)
  • 退職日の翌日から6カ月以内の出産であること

退職後に申請する際は次の点にも気をつけてください。

  • 申請ができるのは退職前に健康保険に加入していた本人に限られます。退職した夫に扶養されている妻が出産する際は申請できません。
  • 退職後にほかの健康保険の被保険者になった場合、重複受給はできません。夫婦いずれか一方の申請になります。退職後、配偶者の健康保険組合の被扶養者になった場合も同様です。

どうやって受け取る? 3つの方法と費用の取り扱い

出産育児一時金は、受け取り方法によって手続きの流れや支給のタイミングが大きく変わります。

ここでは、3つの受け取り方法と、実際にかかった費用が一時金の支給額を上回る場合や、下回る場合の取り扱いについて詳しくみていきましょう。

多く利用されているのは「直接支払制度」。ほかとの違いは?

出産育児一時金の受け取り方法は、大きく分けて3つあります。どの方法が利用できるのかは医療機関によって異なるので、注意が必要です。

1つ目は、よく利用されている「直接支払制度」です。この制度では、保険者(健康保険組合または市区町村役場)が医療機関に直接一時金を給付します。そのため、窓口で高額な支払いをする必要がありません。

出産費用が出産育児一時金の金額以内であれば、自己負担はありません。なお、この制度を利用するには、出産を予定している医療機関と合意書を交わす必要があります。

2つ目は、「受取代理制度」です。被保険者自身が保険者に申請し、保険者から医療機関に直接給付してもらいます。

直接支払制度との違いは、申請手続きを医療機関ではなく本人が行う点です。利用する際は保険者に事前申請が必要です。

3つ目は、「償還払い制度」です。この方法では、出産費用を本人が一旦全額立て替えし、後日、必要書類を添えて保険者へ申請して、給付金を受け取ります。

医療機関が直接支払制度や受取代理制度に対応していない場合に利用されます。まとまったお金が必要になるので、ある程度の資金を準備しておく必要があります。

それぞれの方法によって手続きの流れや必要書類が異なるため、事前に医療機関に確認しておきましょう。

制度名 給付方法 申請者 利用条件・手続き 自己負担額の可能性
直接支払制度 保険者が医療機関へ直接一時金を給付 医療機関 医療機関と合意書を交わす必要がある 出産費用が一時金以内なら自己負担なし
受取代理制度 本人 保険者へ事前申請が必要
償還払い制度 本人が一旦全額立て替え、後日、保険者へ申請して給付 本人 必要書類を添えて保険者へ申請

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出産育児一時金と出産費用の差額の取り扱い

直接支払制度の出産費用や受取代理制度を利用している場合、出産育児一時金と出産費用の差額はどうなるのでしょうか。

出産育児一時金よりも出産費用が少なかった場合は、本人が保険者へ差額分を申請すると、本人の口座へ差額分が支給されます。

例えば、産科医療補償制度に加入している医療機関で出産費用が47万円だった場合、「50万円-47万円=3万円」が戻ってきます。

一方、出産費用が50万円を超えた場合は、出産育児一時金との差額分を医療機関の窓口で支払わなければなりません。

帝王切開や入院日数の延長、個室利用などによって費用が高額になることもあるので、事前に医療機関で費用の目安や、クレジットカード利用の可否などを確認しておくと安心です。

ADVICE

専門家からのアドバイス

直接支払制度は多くの医療機関で利用されている制度です。被保険者(被扶養者)から保険者への申請の必要がないため、妊娠中に手続きの時間が取れない場合でも、安心して出産に臨めます。

受取代理制度は、直接支払制度を利用していない小規模医療機関で出産するときのための制度です。具体的には「年間の平均分娩取扱い件数が100件以下」「収入に占める正常分娩にかかる収入の割合が50%以上」の診療所および助産所が対象の目安になります。また、受取代理制度を利用する場合は、出産前に被保険者が保険者に申請手続きをする必要があります。

申請から受け取りまでの完全ガイド

出産育児一時金は、申請方法や流れをあらかじめ理解しておくことで、トラブルや受け取り漏れを防ぐことができます。ここでは申請から受け取りまでの具体的な手順と注意点を解説します。

  • 具体的な書類や受け取りまでの期間などは、加入している健康保険組合や市区町村役場にお問い合わせください。

申請から受け取りまでの具体的な流れ

直接支払制度を利用する場合

申請の流れはシンプルです。医療機関に制度の利用を申し出て、指示に従って書類に記入して提出すれば、あとは医療機関が手続きを行います。

受取代理制度を利用する場合

健康保険組合や市区町村役場の保険課などから申請書を取り寄せ、記入して提出します(提出前に医療機関から申請書の受取代理人欄の記入や捺印、振込口座記入を行ってもらう必要があります)。出産予定日の2カ月前から出産日までの間に、手続きが可能です。

償還払い制度を利用する場合

出産後に必要書類を準備して保険者に郵送で提出します(申請方法や書類は保険者によって異なります)。

支給時期は、出産日から2〜3カ月かかる場合があります。余裕を持ったスケジュールを立てておきましょう。

直接支払制度または受取代理制度で差額分を申請する場合、申請書および母子健康手帳、領収証・明細書などを提出します。

振込時期は、償還払い制度と同様、2~3カ月かかることがあります。

出産後に健康保険組合から申請書が送付される場合もあるので、記載されている申請要領をきちんと確認しておきましょう。

申請期限は2年間! 余裕を持って手続きを

出産育児一時金および差額分の申請期限は、出産日の翌日から2年間です。

期限を過ぎると時効となり、受け取れなくなります。2年間という期限は長く感じられるかもしれませんが、出産後は育児に追われて書類の準備や手続きを忘れてしまうこともあります。

特に次のケースでは、申請を忘れやすいため注意が必要です。

  • 差額申請の場合:直接支払制度や受取代理制度を利用して、出産費用が50万円未満だった場合の差額申請。「後で申請すればいい」と思っているうちに忘れてしまうことがあります。
  • 償還払い制度の場合:一旦全額立て替え払いにした後の申請。金額が大きいので、普段なら忘れないと思いますが、書類の準備に時間がかかり、そのまま放置してしまうことがあります。
  • 引っ越しや転職があった場合:住所変更や健康保険の切り替えで、手続きが複雑になり後回しになることがあります。

おすすめの対策として、出産後1〜2カ月以内に申請手続きを完了させることを目指しましょう。カレンダーやスマホのリマインダーに申請期限(出産日+2年)を登録しておくと忘れにくくなります。また、必要書類は退院時にまとめて受け取り、紛失しないよう保管しておくことも大切です。

ADVICE

専門家からのアドバイス

出産育児一時金は50万円ですが、実際の出産費用がこの金額を上回ることも珍しくありません。

無痛分娩(硬膜外麻酔による分娩)を希望する場合、通常の分娩費用に加えて10万〜20万円程度の追加費用がかかります。施設によってはさらに高額になる場合もあります。

また、個室を希望する場合は差額ベッド代が発生します。1日当たり数千円〜数万円で、入院日数分の費用が加算されます。例えば、5日間の入院で個室(1日1万円の場合)を利用すると、5万円の追加負担となります。

帝王切開や吸引分娩などの医療処置が必要になった場合、手術費用や入院日数の延長により、費用が60万〜80万円程度になることもあります。ただ、帝王切開は健康保険が適用されるため、高額療養費制度を利用できます。

さらに、東京都心など都市部の人気病院では、出産費用が70万〜100万円を超えることも珍しくありません。

このような状況に備えるため、出産予定の医療機関に事前に費用の見積もりを依頼しておくことをおすすめします。

また、50万円を超える部分については、貯蓄や医療保険での備えを検討するほか、帝王切開など医療処置が必要になった場合は、高額療養費制度も利用しましょう。

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よくあるご質問と回答

受け取った出産育児一時金は課税対象になりますか?

出産育児一時金は非課税です。受け取っても所得税や住民税の課税対象にはなりません。

医療費控除を申請する場合は、出産費用から出産育児一時金の額を差し引いて計算する必要があります。

医療費控除の対象になる出産費用には、入院・分娩費のほか、定期検診や病院に支払う入院中の食事代、入院時のタクシー代などがあります。

医療機関の領収証・明細書とともに、出産育児一時金の受取り額がわかる書類も保管しておきましょう。

直接支払制度も受取代理制度も利用できず、まとまった費用を準備できません。

健康保険組合や市区町村によっては、出産育児一時金を受け取るまでの間、無利子で出産費用を借りられる制度があります。

例えば、全国健康保険協会(協会けんぽ)の「出産費貸付制度」は、出産予定日まで1カ月以内の方が対象で、最大で出産育児一時金の8割まで借りることができます。返済は出産育児一時金から自動的に行われるため、個別の返済手続きは不要です。

この制度を利用すれば、出産前にまとまった費用を準備できない場合でも、出産にかかる費用負担を軽減できます。

まとめ

出産育児一時金は、出産費用の負担を和らげてくれる制度です。

支給額は2025年現在、1児当たり原則50万円で、基本的に全ての出産が対象になります。

直接支払制度や受取代理制度が利用できる医療機関であれば、資金の準備が不要になり、経済的な安心感が高まります。

自分で医療機関に出産費用を支払い、後から申請する場合、期限は出産日の翌日から2年以内です。忘れずに手続きを行いましょう。

必要な書類や流れを事前に把握しておけば、出産当日も出産費用を気にすることなく安心して臨めます。制度を正しく理解し、準備を整えて、新しい家族を迎える喜びを満喫できる環境を作ってください。

この記事の監修

監修者田尻さんの顔写真

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、マネーライター、証券外務員一種資格保有田尻宏子(たじり ひろこ)

証券会社、生命保険会社、銀行など複数の金融機関での勤務経験後、2016年から主に生命保険、損害保険、株式投資、ローン、相続関連等の金融分野専門のライターとして活動中。お金の初心者から上級者向けに幅広く執筆。

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