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家族を持つ30代の方への生命保険のおすすめは? 選び方を解説

家族がいる30代生命保険のおすすめ

30代は、結婚や出産などライフステージが変化し、家族への責任が増す時期です。

自分に万一のことがあった際に遺された家族の生活を守れるよう、生命保険の加入や見直しに適したタイミングといえます。

一般的に、年齢が低いほど健康リスクが低いので、生命保険の保険料は高年齢層と比較して安くなります。そのため30代は、50代・60代と比較すると保険料が割安で加入できる良いタイミングです。

住宅購入時に「団体信用生命保険(団信)」に加入していれば生命保険は不要、と考える方もいるでしょう。

ただ、一般的な団信は、万一の際の住宅ローンの返済分を保障するもので、病気やケガで働けないときの保障や、万一の際に遺された家族の生活を支えるための保障はありません。

また、ペアローンを組んでいる場合、通常は夫婦それぞれが自分の借入分についてのみ団信に加入するため、一方に万一のことがあっても、もう一方の住宅ローン返済義務は残ります。そのため、不足する部分は、別途生命保険や預貯金等でカバーする必要があります。

この記事では、30代の方が家族のためにどのような生命保険に加入したほうがよいか、選び方を解説します。

目次
  1. 保険選びの前に知るべき「必要保障額」の考え方
  2. 目的別に選ぶ! 30代におすすめの生命保険の種類
  3. どれがいい? 後悔しない生命保険選びのための5つの鉄則
  4. よくあるご質問と回答
  5. まとめ

保険選びの前に知るべき「必要保障額」の考え方

実際の保険商品を選ぶ前に、まず保険でカバーしたい必要保障額を確認する必要があります。

必要保障額とは、万一の際に遺された家族が生活を送るために必要な金額から、遺された家族が得られる収入を差し引いた金額です。次の式で計算できます。

必要保障額=遺族の支出見込額-遺族の収入見込額

万一の際に遺された家族が得られる収入には、国からの保障である遺族年金のほか、貯蓄、死亡退職金、配偶者の収入などがあります。まずは、遺族年金がいくらになるのか、収入見込額の計算からはじめましょう。

支出見込額は、現在の生活水準で末子が独立するまでの生活費、教育費、住居費、その他費用の支出を合算します。

遺族の収入見込額は、家族構成や子どもの年齢、資産状況、配偶者の収入などにより大きく変わってくるため、保険で備える必要のある保障額も大きく変わります。

夫35歳(会社員)・妻33歳、子ども5歳・2歳、月間生活費30万円、貯金300万円の家庭で夫が死亡した場合を例に、必要保障額をみていきましょう。

【支出見込額】

費用項目 金額
生活費(20年間) 5,040万円
教育費(2人分) 3,000万円
住居費(20年間) 800万円
その他費用 500万円
合計 9,340万円

【収入見込額】

収入項目 妻が会社員として就労継続 パート勤務
遺族年金 3,130万円 3,130万円
妻の就労収入(20年間) 5,000万円 2,000万円
退職金・資産 600万円 600万円
合計 8,730万円 5,730万円

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【必要保障額】

  • 妻が会社員として就労継続する場合:9,340万円-8,730万円=610万円
  • パート勤務の場合:9,340万円-5,730万円=3,610万円

【試算条件】

  • 生活費:月額30万円の70%×12カ月×20年間
  • 教育費:子ども1人あたり1,500万円(小学校公立、中学から私立、私立大学とした場合の概算)
  • 住居費:持ち家の維持管理費(年間40万円×20年間)
  • その他:500万円と仮定(葬儀費用・予備資金等)
  • 遺族年金:遺族基礎年金(子ども加算含む)・中高齢寡婦加算・遺族厚生年金の合計概算
    (遺族厚生年金は、標準報酬月額を35万円と仮定)
  • 妻の就労:会社員として就労継続(年収250万円)またはパート勤務(年収100万円)
  • 退職金・資産:死亡退職金300万円と仮定し、貯金300万円と合算
  • 本試算は、末子独立までの支出見込額に限定して試算をしています。厳密には、末子独立後の支出見込額も考慮の上、必要保障額を試算してください。

妻が会社員として就労継続する場合は必要保障額を抑えることができますが、パート勤務の場合は約3,610万円の生命保険が必要となります。家族の働き方や収入に応じて適切な保障額を設定することが求められます。

  • 社会保障制度に関わる記述は、2025年4月1日現在の社会保障関係法令等に基づき記載したものです。今後、社会保障制度が変わる場合もあります。
ADVICE

専門家からのアドバイス

必要保障額の計算は複雑に見えますが、まずは「遺族年金がいくらもらえるか」を把握することからはじめましょう。会社員と自営業者では受給額に大きな差があり、配偶者の働き方によっても必要な保険金額は数千万円変わることがあります。

正確な試算が難しい場合は、概算でも問題ありません。現状を把握することが保険選びの出発点になります。

遺族年金について詳しくはこちら

遺族年金の仕組みと申請方法を分かりやすく解説| もしものときに家族を守る
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目的別に選ぶ! 30代におすすめの生命保険の種類

生命保険は、保険の種類や保障期間など商品によって異なり、さまざまな特徴があります。ここでは、30代におすすめの生命保険の種類をご紹介します。

終身保険:一生涯の安心と「お葬式代」の準備に

終身保険は、一生涯にわたって保障が続く死亡保険です。保障期間の定めがないため、確実に家族にお金を遺すことができます。また、万一、将来的にご自身が準備していた預貯金などでは賄えない事象が発生した場合にも、ご自身の大切な保障にかえて、資金需要に対応することもできます。

掛け捨て型の定期保険よりも保険料は高くなる傾向ですが、家族の生活に備えるだけでなく、お葬式代の準備としても活用できます。

定期保険:一定期間の大きな保障をシンプルに確保

定期保険は、保障期間中に万一のことがあった際に死亡保険金や重度障害保険金を受け取れる保険です。保険料の負担を抑えつつ、一定期間の大きな保障を確保できることが特徴です。

保険会社によっては、受け取れる保険金額が変わらない定額型や、保障期間の経過とともに保険金額が減少する逓減型などの商品があります。

定額型は万一の際にまとまった金額を家族に遺したい方に適しています。

一方、逓減型は期間の経過とともに必要保障額が減少するケースに適しています。具体的には住宅ローンの残債に備える場合や、子どもの成長に伴って教育費負担が縮小していく場合などに有効です。保険金額が減少する分、定額型よりも保険料を抑えられるメリットがあります。

また、定期保険には、10年や20年といった保険期間を定め、保険期間の満了時に更新ができる更新型と、一定の年齢で満了となり、保険契約が終了する全期型があります。

更新型は保険期間が比較的短く、更新時に保障内容を定期的に見直すことができます。ただし、更新時に契約者の年齢が上がり死亡リスクが高くなるため、保険料が上がる点に注意しましょう。

医療保障・がん保険:病気やケガの治療費や収入減に備える

病気やケガで入院や通院が必要になると、治療費がかかります。

公的医療保険があっても3割は自己負担であり、また医療費以外の交通費や入院時の個室代(差額ベッド代)などには公的医療保険は適用されないので、全額が自己負担となります。

さらに、治療中に働けなくなると収入も減少します。これらの出費に備えるには、民間の医療保障が有効です。

また、30代になるとがんのリスクも高まります。がんは治療が長期化しやすいため、医療保障だけでは保障が不十分になるケースもでてきます。がん保険も併せて検討しておくとよいでしょう。

POINT

30代におすすめの生命保険の種類

  • 終身保険:一生涯の安心と「お葬式代」の準備に
  • 定期保険:一定期間の大きな保障をシンプルに確保
  • 医療保障・がん保険:病気やケガの治療費や収入減に備える
ADVICE

専門家からのアドバイス

30代の保険選びでは、「今必要な保障」と「将来への備え」のバランスが重要です。

子育て期間中など出費を抑えたい時期は安価な定期保険で備え、終身保険で最低限の葬儀費用を確保するという組み合わせが効果的です。

すべてを1つの保険でまかなおうとせず、目的に応じて複数の保険を使い分けることで、保険料を抑えながら必要な保障を確保できます。

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どれがいい? 後悔しない生命保険選びのための5つの鉄則

生命保険には、さまざまな保険商品があります。そのため、安易に選択してしまうと「せっかく加入したのに十分な保障を受けられなかった」「保険料の負担が大きすぎる」と後悔する場合もあります。

次の5つの鉄則を意識して、自分の目的に合った生命保険を選びましょう。

鉄則1:保険の目的(だれに・何を・いつまで・いくら)を明確にする

生命保険を選ぶ際は、まず目的を明確にすることが必要です。

「遺された家族の生活費に備えたい」「病気やケガの医療費に備えたい」「老後の費用や葬祭費を確保しておきたい」など、目的によって適する保険の種類は異なります。

また、保障が「子育て終了まで」「一生涯」「定年退職まで」など、必要な期間を明確にすることで、保障期間が定まります。

保障が不足しないように、どのくらい保障が必要なのかも確認しておきましょう。

鉄則2:家計を圧迫しない「無理のない保険料」を設定する

保障を手厚くすると、その分保険料の負担は大きくなります。

保険料が家計を圧迫すると、生活費が不足し、必要な支出を削らざるを得なくなります。その結果、保険を解約することとなった場合、必要なときに保障を得られなくなります。

収入や家計をもとに、保険料は無理のない範囲に抑えましょう。

鉄則3:複数の保険会社・保険商品を比較検討する

生命保険は、さまざまな保険会社がそれぞれ特色のある保険商品を販売しています。

1つの保険会社だけでは、目的や希望に合った保険が見つからない可能性もあります。保障内容、サービス品質、契約後のフォロー体制など、さまざまな観点から複数の保険会社や保険商品を比較検討しましょう。単純な条件比較だけでなく、信頼性や長期的なパートナーシップも考慮することが大切です。

鉄則4:ライフステージの変化に合わせて保障内容を「見直す」

ライフステージの変化により、必要な保障も変わります。

「子どもが成長したので共働きを始めた」「子どもが大学を卒業した」「定年退職した」といった状況の変化に応じて、その都度、保障内容を見直すことでリスクに備えることができます。

鉄則5:迷ったら専門家に相談する

生命保険選びに迷ったら、専門家への相談をおすすめします。

各保険会社には生命保険募集人が在籍しており、保険に関する専門知識を持っています。まずは気になる保険会社の相談窓口や営業担当者に相談し、自分のライフプランに合った保険について詳しく話を聞いてみましょう。

また、より中立的な視点からのアドバイスが必要な場合は、特定の保険会社に所属していないFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するという選択肢もあります。

POINT

生命保険選びのための5つの鉄則

  • 鉄則1:保険の目的(だれに・何を・いつまで・いくら)を明確にする
  • 鉄則2:家計を圧迫しない「無理のない保険料」を設定する
  • 鉄則3:複数の保険会社・保険商品を比較検討する
  • 鉄則4:ライフステージの変化に合わせて保障内容を「見直す」
  • 鉄則5:迷ったら専門家に相談する
ADVICE

専門家からのアドバイス

保険選びで最も多い失敗は「保障内容を理解せず加入すること」です。営業担当者の説明だけでなく、必ず契約のルールや重要なポイントをまとめた書類(保障設計書や重要事項説明書)を確認し、どのような場合に保険金が支払われるのかなどをきちんと理解しておきましょう。

また、加入後も年1回は保障内容を見直し、ライフステージの変化に合わせて見直しすることが大切です。

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よくあるご質問と回答

定期保険の注意点は?

定期保険は一定期間だけ保障を確保できるシンプルな保険ですが、いくつか注意点があります。まず、保険期間が満了すると保障もなくなり、満期保険金もありません。また、更新型の場合は、更新時に年齢が上がることで死亡リスクが高くなるため、保険料が再計算されて上がります。さらに、掛け捨て型のため貯蓄性がなく、長期加入した場合更新を繰り返すことで総支払額が高くなることもあります。ライフプランに合わせた期間設定が重要になります。

保険を見直す際の注意点は?

保険の見直しによってライフステージに合った保障内容に更新できますが、見直した結果、保険料負担が大きくなることもあります。

また、被保険者の健康状態によって新たに保険に加入ができない可能性や、新規契約の場合、免責期間が発生するケースがあります。特に解約をともなう見直しは慎重に行いましょう。

まとめ

家族を持つ30代の方が生命保険を選ぶ際には、万一の際に遺された家族の生活を守ることに重点を置き、必要な保障が得られるかどうかを考慮する必要があります。

また、保険加入の目的によって、適する保険の種類は異なります。いつまで、どれだけの保障が必要なのかを明確にしたうえで、保険選びを進めましょう。

  • 本記事に記載されている生命保険の種類や保険商品に関する説明は、一般的な情報提供を目的としており、かんぽ生命の商品について説明しているものではありません。
    かんぽ生命の具体的な商品内容については、当社の商品パンフレットやホームページをご確認いただくか、かんぽ生命の社員やお近くの郵便局窓口にお尋ねください。

この記事の監修

監修者織瀬さんの顔写真

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、宅地建物取引士資格保有織瀬ゆり(おりせ ゆり)

元信託銀行員。これまでの経験・知識をもとに、「初心者にもわかりやすい執筆」を心がけている。2児の子育て中でもあり、子育て世帯向けの資産形成、女性向けのライフプラン記事を得意とする。

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