NISAと学資保険はどちらがおすすめ? ご家庭の状況に合わせた選び方を解説
- 公開日:
- 2026.08.28
教育資金を準備する主な方法として、NISAと学資保険があります。
NISAは非課税で投資できる制度で、学資保険は教育資金準備のための生命保険です。どちらも教育資金を用意するために役立ちますが、投資で増やすか、確実に貯めるべきかで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、NISAと学資保険のメリットと留意点に加え、それぞれに適しているご家庭の特徴について詳しく解説します。
ご家庭の状況に合わせて、どちらを選択するか、または併用するかの判断材料としてご活用ください。
大学卒業までにかかる教育費
まずは、幼稚園入園から大学卒業までにかかる教育費(学校教育費・学校給食費・学校外活動費)の平均額を確認しておきましょう。
| 区分 | 教育費 | |
|---|---|---|
| 国公立 | 私立 | |
| 幼稚園(3年間) | 約55.4万円 | 約104.2万円 |
| 小学校(6年間) | 約220万円 (授業料無償) |
約1,044.9万円 (うち授業料 約306.5万円) |
| 中学校(3年間) | 約162.7万円 (授業料無償) |
約468.1万円 (うち授業料 約137.4万円) |
| 高校(3年間) | 約179.1万円 (うち授業料 約13.6万円) |
約353.8万円 (うち授業料 約83.8万円) |
| 大学(4年間) | 国立:約270.2万円 (うち授業料 約214.3万円。受験費用も含む) |
文系:約485.5万円 (うち授業料 約340.2万円。受験費用も含む) 理系:約645.3万円 (うち授業料 約478.1万円。受験費用も含む) |
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- 幼稚園から高校までは、文部科学省「子供の学習費調査 結果の訂正について」(令和5年度)、大学は、文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」、受験費用は、株式会社日本政策金融公庫 国民生活事業本部「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」を基に、かんぽ生命が作成しています。受験費用は、受験料と受験のための交通費・宿泊費を含みます。数値は四捨五入し、端数処理をしています。
幼稚園から大学まですべて国公立に通った場合、教育費の総額は800万円台が目安になります。
一方、幼稚園から大学まですべて私立に通った場合、教育費の総額は2,000万円以上になるケースもあります。
子どもの教育費について詳しくはこちら
子どもの教育費はいくら必要? 子育てで把握しておきたい幼稚園から大学までの平均額専門家からのアドバイス
上記の金額は、あくまで一般的な「平均値」です。実際の教育費負担額は進学先や居住地域、通学方法などによって異なります。
また、入学のタイミングでは、入学金や授業料、制服代、教材費、一人暮らしを始める場合の住居費など、一時的に支出が集中します。そのため「総額」だけでなく「いつ・いくら必要か」も意識しておくことが重要です。
NISAで教育資金を準備する| メリットと留意点
NISAは、投資で得た利益に税金がかからない制度です。
NISAには、投資信託を積み立てる「つみたて投資枠(年間投資枠120万円)」と、上場株式や投資信託などで積み立てや一括投資ができる「成長投資枠(年間投資枠240万円)」があります。
この2つの投資枠は併用でき、年間では最大360万円、生涯を通して1,800万円(そのうち成長投資枠は1,200万円まで)の資金を運用できます。
この章では、NISAで教育資金を準備するメリットと留意点を解説します。
NISAで教育資金を準備するメリット
NISAで教育資金を準備するメリットは、次のとおりです。
投資資金が増える可能性があり、インフレリスクの軽減も期待できる
NISAでは、投資商品を運用するため、市場の動き次第では投資した資金が増える可能性があります。
また、物価上昇に合わせて株価や投資信託の基準価額が上昇することもあります。そのため、預貯金だけの場合と比べて、インフレによる資産価値の目減りを緩和できる可能性がある点もメリットです。
運用益が非課税
通常、投資信託や株式の利益には20.315%(所得税等15.315%、住民税5%)の税金がかかりますが、NISA口座で得た運用益は、非課税で受け取ることができます。
NISAで教育資金を準備する場合の留意点
一方で、次のような点には注意が必要です。
元本保証がない
NISAを利用して運用する投資商品には元本保証がありません。
運用期間中は価格が常に変動するため、その値動きが精神的なストレスにつながることもあります。
売却のタイミングによっては元本割れすることがある
教育資金は必要になる時期が決まっているため、価格が下がっているタイミングで売却しなければならない可能性もあります。
運用商品を自分で選ぶ必要がある
NISAでは運用する投資商品を自分で選ぶ必要があります。
選択肢も多いため、特に投資信託での資産運用に慣れていない方は、難しく感じるかもしれません。
手数料がかかる場合がある
「つみたて投資枠」の購入手数料は無料ですが、「成長投資枠」での購入時には手数料がかかる投資商品があります。
また、売却時には、「つみたて投資枠」「成長投資枠」ともに、投資商品によっては売却手数料がかかる場合があるため、事前に確認しておくことが大切です。
そのほかにも、投資信託を保有している場合は、「信託報酬(運用管理費用)」という手数料もかかります。年率は投資商品によって異なるため、購入前に確認しましょう。
専門家からのアドバイス
教育資金の準備にNISAを活用する場合は、「いつ使うお金か」を起点に運用計画を立てることが重要になります。
例えば、資金が必要となる時期が近づいてきたら、投資信託の一部を預貯金や価格変動の小さい債券型の商品などへ徐々に移すなど、取り崩し方まで事前に考えておくことで、実際に資金を取り崩すときに価格が下がるリスクを抑えることができます。
学資保険で教育資金を準備する| メリットと留意点
学資保険は、子どもの教育資金を計画的に準備するための生命保険です。
毎月一定額の保険料を払い込むことで、あらかじめ定めた時期に満期保険金や学資祝金を受け取ることができます。
この章では、学資保険で教育資金を準備するメリットと留意点を解説します。
学資保険で教育資金を準備するメリット
学資保険で教育資金を準備するメリットは、次のとおりです。
万一の際に確実に教育資金を確保できる
学資保険の大きな特徴の1つとして、契約者に万一のことがあった場合、その後の保険料の払い込みが免除される商品が用意されている点が挙げられます。
保険料の払い込みが免除されても、満期時には予定どおり満期保険金を受け取れるため、ご家庭の収入状況が変化した場合でも、教育資金を確保しやすくなります。
計画的に教育資金を準備できる
学資保険は、価格変動がある投資商品とは異なり、受取額や受取時期を契約時に決めるため、将来の教育費に対する見通しが立てやすくなり、計画的に教育資金を準備できます。
- 一部のご契約では、学資金の受取総額が保険料払込総額を下回る場合があります。
「残しておきたいお金」を守りながら準備できる点が大きな強みです。
保険料払込期間や受け取りのタイミングを柔軟に設定できる
「全期間(17歳・18歳まで)払い込み続ける」、「10歳までに払い込みを終える」など、ライフプランに合わせて契約時に保険料の払込期間を柔軟に選ぶことができます。
- 生命保険会社によって保険料の払込期間は異なります。
また、受け取りのタイミングは「大学入学時に一括」、「小・中・高・大の進学の節目ごとに」など、選べるタイプの学資保険もあります。
生命保険料控除が適用される
学資保険の保険料は生命保険料控除の対象です。年末調整や確定申告で申請することで、所得税は最大4万円、住民税は最大2万8,000円の控除(※)を受けることができます。
- 新制度(2012年1月1日以後に締結した契約)の場合
なお、2026年分の所得税については、居住者に23歳未満の扶養親族がいる場合にかぎり、生命保険料控除(新制度)の一般生命保険料控除について見直しがあります。
詳しくはこちらの記事をご確認ください。
生命保険料控除の基本| 控除の区分や税金の軽減効果についても解説学資保険で教育資金を準備する場合の留意点
一方で、次のような点には注意が必要です。
途中解約や商品内容によって元本割れの可能性がある
学資保険は、契約期間満了まで継続することを前提とした商品です。そのため、保険料払込期間の途中で解約すると、返戻金が払込保険料を下回るケースがあります。
満期保険金や学資祝金に対する課税に注意が必要
学資保険の満期保険金や学資祝金を受け取ると、所得税や贈与税がかかる場合があります。
例えば、一時金で受け取る場合、契約者(保険料を負担した人)と受取人が同じであれば、一時所得扱いになり「所得税」の対象になります。契約者と受取人が異なれば「贈与税」の対象になります。
なお、所得税の「一時所得」には最高50万円の特別控除があり、贈与税には年間110万円の基礎控除があります。
課税の有無や金額は、受取額や契約内容などによって異なるため、ご自身の契約をご確認ください。
満期保険金や学資祝金の課税ルールについて詳しくはこちら
保険金の確定申告は必要? 満期保険金など、保険金の課税ルールを解説専門家からのアドバイス
「大学卒業までにかかる教育費」で解説したとおり、進学時は一時的に支出が集中します。大学入学時だけではなく、進学時に複数回に分けて受け取るなど、ライフプランに合わせて受取方法を考えておくと、より安心感につながります。
また、毎月無理なく継続して払い込める保険料に設定しておくことで、途中解約のリスクを抑えられるでしょう。
学資保険が適しているケース/学資保険が必ずしも必要ではないケース
教育資金の準備を始めるにあたり、「NISAと学資保険、どちらがおすすめですか?」というご質問をいただくことがありますが、一律の正解はなく、ご家庭の状況によって適している方法は変わります。
NISAと学資保険の特徴について、改めて比較表に整理しました。これを踏まえて、それぞれに合ったケースを見ていきましょう。
| 項目 | NISA | 学資保険 |
|---|---|---|
| 性質 | 投資による資産形成 | 教育資金準備を目的とした生命保険 |
| 運用の仕組み | 自分で投資商品を選ぶ | 保険会社が運用する |
| 元本割れリスク | 運用状況や売却時期によって生じる | 途中解約や商品内容によって生じる場合がある |
| インフレへの対応 | 比較的対応しやすい | 影響を受ける可能性がある |
| 万一の際の保障 | なし | あり(商品による) |
| 税制上のメリット | 運用益が非課税 | 生命保険料控除の対象 |
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学資保険が適しているケース
学資保険が適切な選択肢となりやすいご家庭の特徴を見ていきましょう。
親の万一に備えた保障も重視したい場合
学資保険の中には、契約者である親に万一のことがあった場合、その後の保険料の払い込みが免除される商品もあります。
このような商品を選ぶと、保険料の払い込みが免除された場合でも、満期保険金や学資祝金は予定どおり受け取ることができます。
万一のリスクに備えながら教育資金を準備したいご家庭にとって、適切な選択肢の1つといえるでしょう。
投資リスクや価格変動に不安を感じる場合
NISAで運用する投資信託は価格が日々変動します。
「元本割れリスクがあるのは不安」「値動きを見るのがストレス」という場合は、教育資金を学資保険で準備する方法も選択肢になります。
「必ず確保しておきたい最低限の教育資金」が明確にある場合
教育資金のすべてを学資保険で準備する必要はありません。
例えば「入学金や初年度授業料など、入学時に必要なお金だけは確実に準備しておきたい」と考えるご家庭であれば、最低限確保したい教育資金だけを学資保険で備えるのもおすすめです。
「入学金などの土台の部分を学資保険で準備し、それ以外の教育資金は、別の方法で準備する」という複数の方法を併用した選択肢も知っておきたいポイントです。
かんぽ生命の学資保険について詳しくはこちら
学資保険学資保険が必ずしも必要でない/NISA中心も検討できるケース
以下のようなご家庭の場合、学資保険にこだわらず、NISAを中心とした教育資金準備の検討もおすすめします。
親に万一のことがあった際の備えができている場合
例えば、すでに生命保険で、万一の際の教育資金をカバーできる死亡保障が十分に備わっている場合は、万一の際の保障を目的として学資保険に加入する必要性は低くなるケースもあります。
一定の投資リスクを理解・許容できる場合
NISAは投資信託で運用するため、価格変動や元本割れのリスクがあります。
リスクを許容しながら運用を継続できる場合は、NISAを中心に教育資金を準備してもよいでしょう。
よくあるご質問と回答
子どもはまだ0歳ですが、学資保険を申し込めますか?
0歳から申し込める学資保険も多数用意されています。
なお、かんぽ生命の学資保険の場合、契約者が、お子さんの父親、または母親であれば、出生予定日の140日前からご加入いただけます。
まとめ| ご家庭の状況に合わせて準備方法を考える
NISAと学資保険の最適な選択肢は、ご家庭の状況によって変わります。
教育費にいくら必要か、最低限確保したい金額はいくらか、親に万一のことがあった場合の保障は十分か、投資リスクをどこまで許容できるかなどの条件が、ご家庭ごとに異なるからです。
学資保険で最低限必要な教育費を備え、親に万一のことがあった場合にも備えながら、NISAで投資した資金が増える可能性を期待するなど、併用する方法もあります。
迷う場合は、必要な教育費と現在の保障を整理し、ご家庭に合った準備方法を考えていきましょう。
かんぽ生命の学資保険について
かんぽ生命では、小学校・中学校・高校の入学時や、大学在学中など、教育資金の受け取りのタイミングが選べる学資保険をご用意しています。
また、契約者である親に万一のことがあった場合は、その後の保険料の払い込みが免除される商品が用意されているため、万一のリスクに備えながら教育資金を準備できます。
ご興味のある方は、パンフレットをお取り寄せいただくか、「かんぽさん」との相談予約をご活用ください。
パンフレットの取り寄せはこちら
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かんぽさんとの相談予約(あなたの街のかんぽさんとご希望の日時・場所でご相談いただけます。)- 本記事に記載されている生命保険の種類や保険商品に関する説明は、一般的な情報提供を目的としたものです。
かんぽ生命の具体的な商品内容については、本記事末尾のご案内や、当社の商品パンフレットやホームページをご確認いただくか、かんぽ生命の社員やお近くの郵便局窓口にお尋ねください。
この記事の監修

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員新井智美(あらい ともみ)
マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,500本を超える。
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