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保険契約者等の保護の取組み

審査結果の概要

img査定審査会の概要 img審査の請求の取扱状況 img審査結果の概要

2016年度審査手続終了分

【186】撤回に伴う還付金の支払

ご請求の
内容
撤回に伴い返還される第一回保険料預り金について、既に支払済みであるとの説明を受けたが、保険契約者は同預り金を受領していないこと、また、郵便局担当者が同預り金の受領に係る書類を自ら作成したことを認めており、保険契約者が関与したものではないこと等から同預り金の支払を求める。
審査結果の
概要
本件保険契約に係る保険証書や還付金受領証など査定審査会に提出された資料からは、保険契約者に対して払込保険料が還付されているか否かを判断するのは困難である。払込保険料の還付の有無について判断するためには、双方が持てる証拠を出しあい、反対尋問権の保障された公開法廷での尋問等の各種の証拠調べを行うことが不可欠と思料され、これらの証拠調べ手段を有さない査定審査会においてはこれ以上の事実認定ができない状況である。
したがって、本件は、査定審査会規則第23条第1項第5号に規定する「審査を行うことが適当でない事情が認められる場合」に該当するものとして、同項本文の規定によって、審査を打ち切るのが相当と判断する。


【187】年金契約の無効確認

ご請求の
内容
平成20年8月26日に2年10か月分の保険料893,199円が請求人の知らないところで勝手に払い込まれていることを理由に、本件保険契約を無効とし、請求人が支払った保険料998,346円(会社で受入計理されている保険料1,891,545円から本人が支払っていない保険料893,199円を差し引いた金額)の返還を求める。
審査結果の
概要
会社の調査によれば、会社は本件保険契約の保険料として、平成20年8月26日に、集金の方法により893,199円の支払いを受け、払込完了となっている。また、請求人が保管する本件保険契約に係る保険料領収帳の記載内容も会社の調査と一致している。
これらのことから、本件保険契約の保険料は全て請求人により支払われているものと認められる。
なお、仮に、請求人が主張するように、893,199円が請求人以外の者により払い込まれたものであったとしても、法律上、第三者による弁済として有効と認められる。
また、これまでの調査結果からは、本件保険契約を無効とすべき事由は認められない。
したがって、請求人の請求は、認められない。

【188】死亡保険金の支払(告知義務違反による解除の取消)

ご請求の
内容
過去に癌に罹患した者の定期観察をもって治療とするのはおかしいこと等を理由に、告知義務違反による解除を取消し、被保険者の遺族に死亡保険金を支払うよう求める。
審査結果の
概要
被保険者は、平成14年7月12日に舌がんのため部分切除の手術を受け、経過観察中に再発し、平成22年9月1日に再度舌がんの部分切除手術を受け、その後の定期的な通院・経過観察中の平成26年4月10日に、請求人から本件保険契約の申込みが行われたが、その際、被保険者は自らの舌がんの経過観察の事実を告知しておらず、そのことにつき、被保険者には、故意または少なくとも重大な過失があったものと認められる。
したがって、約款の規定により、会社は本件保険契約を解除することができる。また、被保険者の死亡の原因は、被保険者が告知しなかった舌がんの再発によるものと認められるので、会社は死亡保険金の支払義務を負わない。 したがって、請求人の請求は認められない。

【189】傷害保険金の支払

ご請求の
内容
被保険者の身体障害の状態(右肩の自動運動範囲の制限)について、手術により回復の見込みがあることを理由に傷害保険金の支払を謝絶されたが、手術により身体障害の状態が悪化する可能性があることを踏まえれば手術回避の選択は合理的であること、他社の契約では保険金が支払われていることから、傷害保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
本件傷害保険金支払の可否については、査定審査会に提出された資料から判断するのは困難であり、医学的鑑定結果を含めて必要な証拠を提出し、反対尋問権の保障された公開の法廷で審理を行うことが不可欠と思料され、これらの証拠調べ手段を有さない査定審査会においてはこれ以上の事実認定ができない状況である。
したがって、本件は、査定審査会規則第23条第1項第5号に規定する「審査を行うことが適当でない事情が認められる場合」に該当するものとして、同項本文の規定によって、審査を打ち切るのが相当と判断する。

【190】保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払

ご請求の
内容
被保険者は、平成26年7月に転倒による圧迫骨折後、全身の状態が悪化し、転倒から約3か月後の平成26年10月31日、腸腰筋膿瘍を直接の原因として死亡した。保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払請求をしたところ、会社は、被保険者の死亡の直接の原因は不慮の事故(転倒)によるものではないとして支払謝絶されたが、納得できない。
保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
被保険者は、本件転倒事故の18日後に入院したが、当該入院は、本件転倒事故を起因とした腰椎圧迫骨折によるものではなく、腸腰筋膿瘍の治療を目的としたものであった。その時点で被保険者の病態は既に抗生剤耐性の敗血症の状態になっており、治療に難渋し、体力低下とともに腸腰筋膿瘍によって死亡に至ったものである。そして、査定審査会に提出された資料に記載の事実関係及び医師の見解を総合すれば、腸腰筋膿瘍は、骨部まで露出した左外反拇趾術後潰瘍から感染、発症したものと認められ、本件転倒事故による腰椎圧迫骨折との間に直接の因果関係は認められないため、会社がこれらの保険金を支払うべきとは認められない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【191】保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払

ご請求の
内容
被保険者の死亡経緯に事件性及び事故性がないとして保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払を謝絶されたが納得できない。
保険金の倍額支払及び特約死亡保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
被保険者は、自宅近くの海岸で倒れているところを発見され、搬送先の病院において溺水により死亡したものと診断されたが、査定審査会に提出された資料によれば、浜に被保険者の靴が揃えておいてあったこと、真冬の時期に、散歩の習慣のない被保険者が海に出かけていること、被保険者が抑うつと不安発作を反復し、うつ病と診断されて治療を受けていたこと等、自殺を推認させる事情はあるものの、自殺であったと断定することは困難と言わざるを得ない。他方で、自殺でなかったと判断することも困難であることから、被保険者が自殺したのかそうではないのかは不明と言わざるを得ない。
自殺でないことについては、保険金を請求する者が立証責任を負うので、自殺なのか、そうでないのかが不明であれば、倍額保険金も特約死亡保険金も支払うべきでないことになる。 さらに、当時、被保険者が自由な意思決定能力を喪失または著しく減弱させた状態であったと認めることもできない。
これらのことから、請求人に対して、保険金の倍額支払や特約死亡保険金の支払をすることはできない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【192】手術保険金相当額の損害賠償

ご請求の
内容
被保険者が受けた下顎骨折非観血的整復術について、郵便局員が手術保険金が支払われるとの誤説明をしたことを理由に、本来支払われるべき手術保険金相当額84,000円の損害賠償を求める。
審査結果の
概要
本件手術である下顎骨折「非観血」的整復術は、本件保険契約に適用される約款である無配当疾病傷害入院特約条項別表第4に掲げる手術に掲げられておらず、また、他の列挙された手術に読み込むこともできないことから、会社が本件手術について手術保険金を支払うべきとは認められない。
他方、郵便局員が請求代理人に対して、本件手術が手術保険金の支払対象となると誤説明した事実は会社も認めており、郵便局員が正しく説明していれば、請求人は入院・手術証明書(診断書)を取得する必要がなかったと認められるので、当該診断書の取得のために請求人が負担した費用(病院に支払った手数料及び合理的な交通費)については賠償する必要がある。
したがって、会社は、請求人に対し、入院・手術証明書(診断書)の費用5,400円及びこれの取得に要した交通費(公共交通機関(タクシーを除く。)を利用して合理的な経路で移動した場合の費用を上限とする。)の合計額を限度として解決金を支払う内容の和解案を請求人及び会社に提示し、その受諾を勧告する。

【193】説明を受けた解約還付金との差額の損害賠償

ご請求の
内容
65歳開始定額型終身年金保険契約(2件)について、募集時に説明を受けた解約還付金よりも実際に支払われた解約還付金が少ないことに納得できない。差額の支払を求める。
審査結果の
概要
本件保険契約の申込時、会社は請求人に対し、ご契約のしおりを交付しているが、ご契約のしおりには、定額型据置終身年金保険の解約還付金について、60歳支払開始の契約に係わる還付金額のみが例示として記載され、「例示した以外のものの還付金額は郵便局にお尋ね下さい。」とされており、請求人が主張するような還付金額の記載はない。
また、請求人は、本件各保険契約の申込時に受理者が作成したとするメモを提出しているが、記載内容や受理者の証言等からすると、当該メモは、本件各保険契約の申込時において、受理者により作成、説明等されたものとは認められない。
その他、本件各保険契約に係る解約還付金について、請求人が主張する金額を記載した資料は存在しない。
以上のことから、本件各保険契約に関し、会社が請求人主張の還付金額を約束したとは認められず、また、契約申込に当たり、受理者が請求人主張の還付金額を誤って説明したことも認められない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【194】疾病による入院保険金の支払

ご請求の
内容
本件入院(裂肛・混合痔核を原因とする2015年4月21日から同年6月2日までの入院)について、会社は入院期間のうち入院開始から入院5日目までの入院についてのみ入院の必要性を認め入院保険金を支払い、入院6日目以降の入院保険金を支払謝絶としたが、入院6日目以降の入院についても被保険者の体質の関係上、回復が遅くなり退院ができなかったために引き続き入院したものであり、入院の必要性が認められるため、全期間分の入院保険金の支払を求める。
審査結果の
概要
査定審査会に提出された資料によれば、入院開始から20日経過するまでは、入院をして常に医師の管理下において治療に専念する必要がなくなっていたとは認められないが、その後は、医師が請求人に対して退院勧告をしたにもかかわらず、請求人は退院勧告を拒否して自らの意思で引き続き入院をしていること等が認められ、入院を継続する医学的必要性があったこと等を示す証拠はない。
したがって、請求人の請求には、入院開始から20日までの入院保険金の支払請求の限度で理由があるが、その余は認められない。

【195】保険金の倍額支払および特約死亡保険金の支払い

ご請求の
内容
死亡診断書には、被保険者の直接死因は脱水症、その原因は嚥下困難、その原因は後頭部打撲、死因の種類は転倒・転落による不慮の外因死と記載されており、被保険者は、不慮の事故による傷害を直接の原因として死亡したことから、保険金の倍額支払および特約死亡保険金の支払いを求める。
審査結果の
概要
被保険者は老衰が認められたところに脳梗塞を合併し死亡したものと認められ、不慮の事故等により傷害を受けその傷害を直接の原因として死亡した場合に該当しない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【196】傷害保険金の支払い

ご請求の
内容
被保険者は、事故により右膝に傷害を受けて入院し、退院後に歩行が不可能になり、広範囲にわたって膝関節を動かすことができなくなったこと等から、傷害保険金の支払いを求める。
審査結果の
概要
被保険者の身体障害の状態は、約款別表の身体障害等級表に掲げる身体障害の状態にいずれも該当しない。
なお、被保険者が歩行不可能になった原因は、事故よりも腰椎椎間板ヘルニアおよび脊柱管狭窄症によるところが大きいと考えられる。
したがって、請求人の請求は認められない。

【197】契約の無効確認

ご請求の
内容
本件契約は保険契約者(請求人の子)が知らないところで請求人が申込手続きをし、保険料を払い込んでいたが、満期前に保険契約者が死亡し、保険契約者の相続人により、保険契約者の任意承継手続がされた。
しかしながら、保険契約者が死亡するまでの間に、契約を追認した事情はないことから、本件契約が無効であることの確認を求める。
審査結果の
概要
本件契約の申込み後、保険契約者は、自らの運転免許証を提示して保険契約者の生年月日訂正の手続きを行っていることが認められ、これは、無権代理行為を追認する意思表示とみるべきものであり、遅くともその手続き時点では、保険契約者による追認がされ、同人に効果が帰属することになったと認められる。
したがって、請求人の請求は認められない。

【198】入院保険金の支払い

ご請求の
内容
被保険者は、交通事故により受傷し、頸椎、腰椎捻挫を原因として約3カ月間入院したため、入院の全期間について入院保険金の支払いを求める。
審査結果の
概要
請求人の頚椎捻挫および腰椎捻挫は、長期間にわたり入院治療を行う必要があったとは認められない。
また、被保険者は、入院から約2カ月経過した日から外泊を行っており、少なくとも同日以降は、入院保険金の支払対象となる入院、すなわち、自宅等での治療が困難なため、病院または診療所に収容され、常に医師の管理下において治療に専念するための入院とは認められない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【199】配当金の支払い

ご請求の
内容
受理者から、配当金の額が明記されたパンフレットの交付を受け、所持しているが、満期時に支払われた配当金が募集時に説明を受けた配当金の額と異なるため、差額の支払いを求める。
審査結果の
概要
受理者による配当金の確約の有無を事実認定することはできないが、請求人から証拠としてパンフレットが提出されていること、配当金は事前に額を約束できるような性質のものではないこと等を総合的に考慮し、パンフレットに記載された金額から実際に配当金として会社が支払った金額を控除した後の額の4分の1の額の解決金を支払うことが相当と考えられる。
したがって、その旨の和解案を請求人および会社に提示し、その受諾を勧告する。

【200】契約の無効確認

ご請求の
内容
本件各契約(学資保険3件)について、保険契約者とされる請求人の了承を得ずに請求人の配偶者が申込手続きをしたものであることから、本件各契約が無効であることの確認を求める。
審査結果の
概要
請求人は、本件各契約の存在を知った後、約10年にわたり、自らの名義の口座から保険料を支払うことを許容してきている等の事実からすれば、本件各契約は、請求人によって黙示または明示の追認がされているものと認められる。
また、契約行為を行った請求人の配偶者に契約内容の錯誤があったような事情は認められない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【201】傷害保険金の支払い

ご請求の
内容
被保険者(当時85歳)は、入居中の介護施設において転倒し、約款別表に定める身体障害の状態(精神、神経又は胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの)に該当するに至ったものであるため、傷害保険金の支払いを求める。
審査結果の
概要
被保険者は、転倒以前から心臓を患っており、転倒時点においても、大動脈弁狭窄が高度であることが認められることからすると、大動脈狭窄症による心不全状態から精神、神経または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要する状態となったと認定できる。
また、障害診断書には、被保険者の身体障害の状態が「1下肢の3大関節中の1関節の用を全く廃したもの」に該当するものと判断するだけの関節の自動運動の範囲について記載がなく、他に証拠もないことから、関節の自動運動の範囲が制限されたものとは認められない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【202】契約内容の確認

ご請求の
内容
本件各契約に付加された特約が疾病傷害入院特約ではなく、健康祝金付疾病傷害入院特約であることの確認を求める。
審査結果の
概要
本件各契約に係る保険契約申込書には、いずれも健康祝金付疾病傷害入院特約の項目には丸印がつけられていないこと、本件各契約が健康祝金付であることを誤認させる説明が行われたことを認定するに足りる証拠は認められないこと等から、本件各契約に健康祝金付疾病傷害入院特約が付加されたものとは認められない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【203】契約内容の確認

ご請求の
内容
【202】と同じ。
審査結果の
概要
【202】と同じ。

【204】契約者貸付の無効確認

ご請求の
内容
本件各契約に係る審査対象の契約者貸付について、保険契約者である請求人に無断で請求人の兄弟が貸付をしたものであることから、契約者貸付が無効であることの確認を求める。
審査結果の
概要
審査対象の契約者貸付のうち、貸付請求書が残存している契約者貸付は請求人自身が貸付手続きを行ったものと認められる。また、貸付請求書が残存していない契約者貸付は、既に全部弁済されており、無効または取消を求める対象がない。
したがって、請求人の請求は認められない。

【205】保険金の倍額支払

ご請求の
内容
医師・看護師から、被保険者は特定感染症である肺結核による誤嚥性肺炎で亡くなったとの説明を受けており、被保険者は肺結核を直接の原因として死亡したものであることから、保険金の倍額支払を求める。
審査結果の
概要
死亡診断書の記載内容、肺結核の治療は順調に推移していたことおよび死亡の5日前に行われた結核菌検査は陰性であったこと等からすれば、被保険者は直接的には、誤嚥性肺炎により死亡したと認めるのが相当である。
したがって、請求人の請求は認められない。
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